2月1日、高知競馬第6レース「シルバーありがと特別」。
マルタカカフェーという牝馬が差し切り勝ちを果たしました。
目迫大輔(めさくだいすけ)騎手が、6歳牝馬のマルタカカフェーに、63戦目の初勝利をプレゼントしたのです。
目迫騎手は1着の枠場に入るとき、素敵な笑顔を浮かべます。
その笑顔を見る度に、胸の奥にあたたかいものが広がります。
久々の勝利ということもあってか、目迫騎手は本当に嬉しそうでした。
私は「よかったな、この勝ちが弾みになるといいな」と思った。
だけどまさか、メインレースの重賞をも勝ってしまうなんて・・・!
目迫騎手は8歳牡馬・マリスブラッシュとコンビを組み、黒潮スプリンターズカップを制したのです。
赤岡修次騎手&フサイチバルドルの追撃を振り切って、先頭でゴールに飛び込んだ目迫騎手&マリスブラッシュ。
目迫騎手にとって、嬉しい嬉しい、重賞初制覇。
しかし、レース直後の目迫騎手は青ざめていました。
降着に至るほどではなかったものの、4コーナーで他馬の走行を遮ってしまったのです。
表彰式が始まるのを待っている間、マリスブラッシュを管理する田中譲二調教師は、満面の笑みを浮かべていました。
年明けから、なんだか元気がなかった譲二先生。
「2着ばっかりや」とぼやいていたけれど、マリスブラッシュの黒潮スプリンターズカップ連覇で、一気にパワーが蘇ったようです。
譲二先生は何度も目迫騎手にお礼を言っていました。
「与作~、ありがとう! ようやったなあ!」
よさく? めさく?
突っ込みはさておき、譲二先生の歓喜に触発されて、目迫騎手の顔にも笑顔が広がっていきました。
「自分が重賞を勝てるとは思いませんでした。めっちゃ嬉しいです!」
岐阜の笠松競馬場でデビューした目迫騎手が、高知競馬場へ武者修行にやってきたのは一昨年の秋のこと。
1年間の武者修行を経て、昨年の秋、高知競馬に移籍しました。
移籍を決意するまでには、大きな葛藤があったそうです。
高知で知った「レースに乗れる喜び」も、デビューからお世話になってきた笠松の後藤保厩舎に対する想いも大きかったから。
目迫騎手が高知に移籍してひと月ほど経った頃だったか、後藤厩舎の方がこう言っていました。
「大輔がイキイキと騎手を続けられるのが一番だから。大輔にとって、一番の選択だったと思うから、応援しています」
目迫騎手は高知競馬のジョッキーとして再デビューするにあたって、勝負服のデザインを変更しました。
「尊敬する柴山さんの勝負服のデザインからいただきました」
笠松からJRAに移籍して活躍中の柴山雄一騎手が笠松時代に着用していた勝負服を模した白十時も、「高知の目迫」にだいぶ馴染んできましたね。
笠松への感謝を心に抱き、馬に乗る喜びを教えてくれた高知で再スタートを切った目迫騎手。
重賞初制覇、本当におめでとうございました。
これからも、素敵な笑顔を見せてくださいね。