売店の平田さん、川崎競馬場に登場! 文:浅野靖典さん
11月19日の金曜日。高知市内にある場外馬券売場「パルス高知」の4階にある売店で飲食物と競馬愛を売り、そして高知競馬のホームページ上で展開されているブログにて馬券を通じた人生劇場を展開しているあの方が、川崎競馬場に来場するのである。
ということで賓客を迎えるべく用意されたのが、『高知競馬「売店の平田さん」ご来場記念』。平田さんを迎える側が申し込みをしたので、レース名は「ご来場」ということになっているのだ。
……続きは携帯サイト競馬総合チャンネルの地方競馬コースに連載中の浅野さんのコラム「地方競馬に突撃しよう」で。
11月24日に更新されたコラムであります。
なーんて、まるで競馬総合チャンネルのまわし者みたいですが。
浅野さんレポートの面白さに免じてご容赦くださいm(_ _)m
『ふみおーっ。ふみおーっ。ふみおーっ』
『・・・・・・・・・・・・』
平田さんが熱烈応援した的場文男騎手&シナノマウンテンは、攻めに攻めるも惜しくも3着。
的場騎手の次に勝ってほしかった石崎隆之騎手&ホットピクルスは、4着。
平田さんレースを快勝したのは、坂井英光騎手&アンビションガルでした。
よりによって、平田さんにとって馬券的相性極悪な坂井めが……。
口取り撮影前は、一触即発の緊急事態が案じられました。
関係者の表情に、緊張が走ります。
ザ・杞憂☆
坂井騎手とがっちり握手を交わして、口取り写真におさまった平田さん。
坂井と和解。和解の握手です。
2010年11月19日は、平田さんにとっての「英光と和解Day」となりました。
めでたし。
さらに。
この日の川崎では、赤見千尋まつりが開催されました。
赤見さんが原作を手がける漫画「優駿の門 アスミ」の単行本第1巻の出版を記念して、冠レースや即売サイン会が行われたんです。
チーム「優駿の門 アスミ」。
原作:赤見千尋先生。作画:早川恵子先生。監修:やまさき拓味先生。
原山実子さんの司会で繰り広げられたトークライブ、めっちゃ面白かった~。
普段の赤見さんまるだしやった。早川先生を抱きしめたくなった。
サイン会の大行列に、売店の平田さんとおぼしき人が「アルフィー! クレイジー! アスミー!!」と叫びながら、ミーハーまるだし感動的テキーラ状態で並んでいたという情報が入っています。
平田さん、やまさき先生の「優駿の門」が大好きなんですって。
やまさき先生は、高知競馬場の4コーナー寄りの芝生スペースがお好きなんですって。
平田さんが川崎にやってきた日と、赤見さん原作の「優駿の門 アスミ」の発売記念イベントが同じだったのは、まったくの偶然です。
そういえば赤見さんは、日本で初めて平田さん動画の撮影に成功した人物。
えにしやわ~。
「優駿の門 アスミ」の舞台は、川崎競馬場。
登場するすべての馬は、赤見さんが高崎競馬場でジョッキーをしていた頃に出会った馬がモデルになっているんだそうです。
そして赤見さん自らが経験した出来事に、30%ぐらいの妄想を織り交ぜて描かれているのだとか。
てことは、70%はリアル。現実に起こった出来事なのかな。
だから涙が出てきたのかな。
売店の平田さんが、小刻みに震えながら言いました。
「こんなにたくさんの人によくしてもろうて。私、しぬんやないろか?」
オークスはピシャリと言い放ちました。
「しなんしなん。しなないですから」
売店の平田さんは、平田さんのブログをどれだけ多くの人々が楽しみに読んでいるか、ちっとも気づいてないんやもん。
みんなの「売店の平田さん。いつもマニアックな笑いをくれて、ありがと!」って気持ちが、あの日の川崎にはからずも集結したんやもん。
平田さんにこんなことを言うと、「更新プレッシャー」を感じさせてしまうかもしれない。
ちがうんです。無理はしないでください。
だって、平田さんブログもオークスブログも、お仕事じゃないんやもん。
お仕事じゃないから。
私がこのブログの更新をずーっとサボっていても、高知県競馬組合の方から「そろそろ更新してください」てな催促を受けることはありません。
そんなことは、ブログを読んでくださる方々には、まったく関係のないことではありますが……。
だけど。もし明日、平田さんが海外放浪を決意して。
なんの前ぶれもなく、ブログの更新がストップしたとしても。
平田さんは謝らなくていいんだぜ。
協賛レースが決まって、川崎VIP様が考案なさったレース名は、『高知競馬の花「売店の平田さん」ご来場記念』でした。
「ちょっと花……花て……。40ですよっ! 40で花て……おかしいやん! 『花』とってもらいたいんやけど……」「でもせっかく協賛レースを組んでくださるのに、『レース名を変えてください』なんて申しわけない……でもとってもらいたい……」 てな感じで悶々と悩む平田さんに向かって。
私が能天気に、「ネタになるからええやないですか」と言うと、平田さんの心はほんのちょっぴり揺れましたが。
結局、平田さんは丁重に丁重に、気の毒なくらい恐縮しながら、「花」を辞退なさいました。
でも。あの日。川崎で。
ふみおーって叫んだり。
坂井と和解したり。
アスミにミーハーしたり。
取材を受けて高知競馬をアピールしたり、やさぐれトークしたり。
どうぞ高知競馬をPRしてください! という川崎VIP様のお心遣いに応えようと、夜さ恋ナイターの“のぼり”をバックに写真を撮られたり。
緊張でお顔を引きつらせたり。
誘導馬のおねえさんにときめいたり。
サインを求められてうろたえたり。
タンメン食べたりコロッケ食べたりあんパン食べたりちくわぶ食べたり。
高知で長きに渡って武者修行に励んでいた、船橋の高橋利幸騎手の7番人気3着に大興奮したり。
ミスターディズニー渾身の、ミッキーの耳つきパーカー着用にちょっと引いたり。
荘司さんに癒されたり。
たぶんおそらく、1日で1年分くらい競馬場を楽しんだであろう平田さんの瞳は、らんらんと輝いていました。
そんな平田さんを見てるのが、楽しくて面白くて。
私にとっても、忘れられない1日になりました。
たとえ売店の平田さんの馬体重が、300キロを超えたとしても。
たとえ売店の平田さんがアル中でも。
俺の平田さんに対するリスペクトは変わらないぜ。
それは平田さんが面白いからです。ブログが面白いからです。
高知には、素敵にやさぐれた古馬牝馬がいる。
売店の平田さんめ。