高知競馬場のパドックの裏手に、馬頭観音菩薩をまつったお堂があります。
このお堂は、高知競馬でデビューを果たし、現在は福山競馬のジョッキーとして活躍している佐原秀泰騎手のお父様がこしらえました。
美しい曲線を描くお堂の屋根。
佐原騎手のお父様は、腕利きの宮大工として全国各地を転々としていたそうです。
佐原騎手が福山に移籍して、8年の月日が流れました。
おととしの暮れには、マルチグランドボスに騎乗して2歳重賞を制覇しました。
そして。いよいよ明日。
佐原騎手は、黒船賞トライアルの「いろは丸特別」を制したジューシー(セン5、那俄性哲也厩舎)と共に、第11回黒船賞に参戦します。
福山を代表するサラブレッド・ナムラベンケイを撃破して、黒船賞優先出走権をゲットしたジューシー&佐原騎手。
ジューシーの状態のよさを感じていた佐原騎手は、自信を持っていろは丸特別に臨みました。
そんな自信が、4角先頭の強気なレースに繋がりました。
「ナムラベンケイが出ていたレースを勝ったのは、価値がありますよね」
と佐原騎手。
いろは丸特別の直後、那俄性調教師は黒船賞参戦に消極的でした。
しかし、周囲の声に応えて出走を決意なさったようです。
「出られるだけで凄いことだと思います。競馬が上手な馬なので、ひとつでも上の着順を目指したいですね。黒船賞、楽しみにしています!」
佐原騎手はそう言って、イケメンフェイスをほころばせました。
佐原騎手の趣味は、ガンダムのプラモデルを作ること。
馴染みのおもちゃ屋さんには、10体もの佐原特製ガンプラが飾られているそうです。
そんでもって、佐原特製ガンプラを飾ってからというもの、そのおもちゃ屋さんのガンプラの売り上げが伸びたんやて!
きっと、お父様から受け継いだ血ですね。
高知競馬場で騎手人生をスタートさせた佐原騎手が、福山の馬に跨って、高知最大のレースに挑む。
明日は不思議な縁に想いを馳せながら、馬頭さんに足を運ぼうと思います。