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名手と名馬のふるさとで

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4月29日に笠松競馬場で行われた、第19回オグリキャップ記念。
2500mの長丁場を制したのは、名古屋のヒシウォーシイ&岡部誠騎手でした。
ヒシウォーシイは一昨年の東海ダービー馬であり、リーディングをひた走る岡部騎手にダービージョッキーの称号をプレゼントした馬でもあります。

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なかなか成績が安定しない時期もあったけど。
5歳の春を迎えて壁を越えたのか、これで重賞3連勝。
NARグランプリ2009の最優秀勝率調教師賞を受賞した、川西毅調教師が手がけるヒシウォーシイ。
今後の活躍を楽しみにしています。

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1番人気に支持された高知のグランシュヴァリエ&赤岡修次騎手は、残念ながら4着に敗れました。
「急ピッチで仕上げたので、その影響があったのかもしれません。力があるのは、間違いないんですけどね・・・」と赤岡騎手。
今後は放牧をはさんで、建て直しをはかることになりそうです。


オグリキャップ記念に出走する馬の、装鞍が始まる前のことです。
私は「5月10日(月)は 第1回 福永洋一記念 高知競馬場」と書いた画用紙を持って、笠松競馬場をうろついていました。
それは自分のコラムに添える写真を撮影するための小道具でした。
これを赤岡騎手に持ってもらって撮ったら、ええ感じやん。
と思ったわけです。

画用紙に折れ目がつかないように、ひらひらさせながら歩いていると。
笠松競馬の広報さんに、声をかけられました。
「それはなんですか?」
私は冷や汗をかきました。しどろもどろに事情を説明しました。
「へー、笠松で高知のPRですか。ふーん」みたいな反応が返ってくるに違いない~と思ったのです。ところが。
「ああ! 福永洋一記念ですか。わかりました。オグリキャップ記念の表彰式の前に、宣伝しましょう」
えっ。
私は激しくうろたえました。
笠松の大一番の表彰式の前に、よその競馬場の宣伝を・・・?
それはあまりにも!
「いや、せっかくだからやりましょうよ」
じ、じゃあ、高知の馬が勝ったら・・・ってことでどうでしょうか。
「いやいや、どこの馬が勝っても宣伝しましょう!」

やられた。と思った。

「そうだ、プラカードに貼り付けて掲げたほうが、より多くのお客さんの目にとまるんじゃないですか?」
「遠慮なさらず、がんがん宣伝してくださいね!」

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笠松の広報さんめ。
レース前から、胸がいっぱいになってしもたやないか。

私にとって、めちゃくちゃ大きな出来事でした。
競馬を愛する想いは、みんな同じですよ。みんなで一緒に盛り上げましょうよ――。
そんな大きな気持ちを、しかと受け取りました。
本当に、ありがとうございました!

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「さっき、嫁さんが修次を空港まで送りにいったんですよ」
高知から笠松に移籍した花本正三騎手。
ジョッキー生活31年目。
2月に通算2100勝を達成しました。
ダンディー&ジェントルです。