9月25日、高知競馬がリニューアルオープンした。
リニューアルの主な点は賭け式の追加と徳島県藍住町の場外発売所「パルス藍住」のオープンということになるが、早くもリニューアルオープン後の2日間、高知競馬本場では前回の開催までのおおよその平均より一日約500人の入場者増と賑わいを見せた。「パルス藍住」にも初日から1200人もの来場を頂いたとの事で、まずは上々のスタートである。何よりもご来場いただいたお客様、そしてご協力いただいた関係者の皆さんに感謝の気持ちを伝えたい。
まず賭け式の追加だが、具体的には三連単とワイドの二賭け式が新たに導入された。中でも三連単は全体の売上げのシェアのうち6割強を占める人気となった。これは先に導入した福山競馬の例からも予測された事だが、出走頭数が10頭前後という競馬場では大変ゲームバランスが良くなるという点がその人気の秘密だろう。小額の投資で配当が大きいという特徴が時代の流れに合っていて、なおかつ多頭数競馬に比べて当たりやすい。2日間での結論は早計かもしれないが、恐らく今後もシェア1位で推移するだろう。
では2日間の三連単の配当を分析してみよう。
9月25日
レース 頭数 着順
配当(円) 単勝人気
1 8 3-2-5
1560 ①-⑥-④
2 8 4-6-7
9670 ②-①-⑦
3 8 8-5-7
51320 ①-⑤-⑦
4 9 4-8-6
10480 ①-③-⑤
5 9 9-5-1
20620 ①-③-⑥
6 9 5-1-2
13380 ①-③-⑨
7 9 7-8-9
700 ①-②-③
8 10 9-5-3
3380 ①-④-③
9 9 3-4-8
8510 ①-③-⑤
10 11 3-4-5
5200 ②-③-③
11 11 10-7-6
24790 ①-④-⑥
9月26日
レース 頭数 着順
配当(円) 単勝人気
1 7 2-3-7
350 ①-②-④
2 7 1-6-8
10100 ①-⑦-④
3 8 3-4-1
1330 ②-①-④
4 8 7-8-4
780 ①-②-③
5 9 8-6-1
5520 ②-①-⑥
6 10 7-4-2
1050 ②-①-③
7 10 4-1-2
960 ①-②-④
8 9 7-9-4
256780 ⑤-②-⑨
9 10 1-4-3
9490 ②-⑥-③
10 10 5-1-3
1440 ①-②-③
11 9 1-6-5
860 ②-①-③
補足すると
2日間の1レースあたり平均出走頭数 9頭
三連単の平均配当 19921円
三連単最高配当 256780円
万馬券出現率 31.8%
50倍以上配当出現率 54.5%
1番人気勝率 63.6%
1番人気が勝って三連単が50倍以上 31.8%
1番人気が勝って三連単が万馬券 27.2%
1番人気が4着以下の時の平均配当 90490円
3着までが4番人気以内で決着した率 45.4%
上の条件での平均配当 1605円
というような数字が現れてくる。
まだ分母が小さい段階での分析だから、今後違う傾向も出てくるだろうが、2日間の数字を見る限り三連単は1番人気が人気通りに勝っても2着3着の組み合わせで非常に高い配当になるのが印象的だ。例えば25日の最終レースは非常に上位混戦といったオッズだったが、1番人気のオースミレパードが勝って、2着が4番人気のゲイリージェミニ、3着が6番人気のジョーオーラで決着している。
ゲイリージェミニはかなり専門紙の印が重かったし、ジョーオーラは穴人気していたからこの3頭の組み合わせで2万4千円台の配当になったのは三連単ならではといえよう。
では結果が分かっているこのレースのケースから、三連単をうまく当てる買い方を考えてみよう。
9月25日 高知競馬第11競走
サラ系B2 1600m 馬場・重 11頭立て
オースミレパード 馬番10番 1番人気
ボーリングマシン 馬番8番 2番人気
ヒカルフクカゼ 馬番9番 3番人気
ゲイリージェミニ 馬番7番 4番人気
マサシンゲキ 馬番1番 5番人気
ジョーオーラ 馬番6番 6番人気
この上位人気6頭からの組み合わせを“ボックス”にしてみよう。
さすがに点数は多くなるが、買いもらすことなく的中馬券に到達できる。流し・ボックスの専用マークカードを使って、指定した馬の全ての組み合わせを購入するのだが、
指定馬3頭 6点(1点100円で 600円)
指定馬4頭 24点(1点100円で 2400円)
指定馬5頭 60点(1点100円で 6000円)
指定馬6頭 120点(1点100円で 12000円)
だから、この場合結果として6頭指定でも配当24000円超ならばプラスにはなったことになる。ちなみに7頭以上の指定なら
指定馬7頭 210点(1点100円で 21000円)
指定馬8頭 336点(1点100円で 33600円)
指定馬9頭 504点(1点100円で 50400円)
で、高知競馬の専用マークカードなら9頭までボックスの指定が可能である。それ以上については一枚のマークカードでは指定できないが、指定頭数分の専用マークカードを用意して12頭それぞれの1着固定流しをかければ良い。1着を固定して、2・3着は全通りの欄をマークすれば簡単に出来る。10頭以上だと、
指定馬10頭 720点(1点100円で 72000円)
指定馬11頭 990点(1点100円で 99000円)
指定馬12頭 1320点(1点100円で 132000円)
となるが、よほどの高配当を狙う場合を除きあまり多くの点数となってしまうのは効率が悪い。
そこで今度は“流し”を使ってみよう。
1番人気のオースミレパードを1着固定にして、上位人気の他の5頭を2~3着に組み合わせるやり方だ。これだと2~3着に指定した5頭を馬単ボックスにするのと同じ考え方になる。
1着を10番に固定して
2着に 1・6・7・8・9番を
3着にも1・6・7・8・9番を指定する
組み合わせ数は20点、1点100円だと2000円という投資になるが、これで2万4千円台の配当を的中できる。更に相手を4頭に絞れば12点で済む。更に3頭なら6点とリーズナブルだ。
この流しに関して高知競馬のマークカードは余計な組み合わせを勝手に弾いてくれる。つまり上記の買い方だと、2・3着の両方に同じ馬番をマークしているけれど、10-1-1のようなありえない組み合わせをパスしてくれるのでご安心を。
考え方としては3つの着の内、1つの着だけを1頭固定にすればあとの2つの着は全通りを選んでも大丈夫ということだ。
慣れてくれば、意外と自由に買い目を選択できるようになる。後はどうやって指定馬を絞るかという問題となろう。
筆者の印象では、レースによって上位人気の実力が抜けている場合と、やや押し出された人気と感じる場合の違いをうまく掴めると攻略しやすくなるようだ。前者なら買い目を絞り込んで狙い打ちにして、後者なら流しやボックスを使って網を張る。
ずいぶん三連単の話が長くなってしまったが、他にワイドも導入され、すでに万馬券配当が出るなど“活躍”を見せている。単勝・馬複・馬単に加え5掛け式をお楽しみいただきたい。
さてパルス藍住がオープンした徳島県藍住町は近郊の徳島市はもちろん、四国各県とも徳島自動車道経由で結ばれ、神戸まで車で1時間40分と関西圏にも近い、非常にアクセス整備の進んだ町だ。
藍染めで名高い文化の町でもあり、特産品はその藍染め、洋人参、味噌、漬物と紹介されている。藍染めについては下記のアドレスの藍住町サイトでも紹介されているが、
http://www.town.aizumi.tokushima.jp/
~以下引用~
藍という色は日本人にとってもっとも普遍的な色で、歴史的にも愛されてきた色です。
しかも天然藍で染めたものは、変色や色落ちせず、ひふを保護してくれる薬効もあるので、藍に対する人気は、いま、日増しに高まっています。藍住町は江戸時代中期から良質の藍を諸国に供給してきた歴史があります。そんな葉藍を加工して”すくも”という染料がつくられますが、町内にはすぐれた藍染めに挑戦する業者の活躍はよく知られています
~引用終わり~
こういった文化が地域に根付き、将来へ受け継がれていくというのは大変に素晴らしいことで、こうしてその伝統の一端を垣間見る事で筆者自身にも藍染め、そして藍住町の風土に対して興味がわいてくる。またこうして藍住町と出会うことで藍染めの文化を再発信することが今後の高知競馬の使命ともなると、筆者は思う。
また高知競馬では25日から、発走直前にレースコースを紹介する映像や、高知競馬場が太平洋のすぐ側にあることをアピールするCM、また「The Oceanside Track 高知けいば」というロゴを発表している。これもリニューアルの一部だが、少し舞台裏を明かしておくと「オーシャンサイドトラック」という言葉は、ある海外の新聞が高知競馬の話題を取り上げる時にちょっとしゃれた言い回しで高知競馬場のことを表現した一文から拝借したものである。原文は大分違うが、すぐ近くに桂浜がある高知競馬のキャッチフレーズとしてはとてもイメージしやすい言葉だ。
こうしてリニューアルオープンを迎えた高知競馬。競馬法改正や高崎競馬の廃止表明など、競馬再編とも言える激動の時代にあってまだまだこれから成し遂げなければならない課題も多い。
ただ単純に掛け式の変更で問題が解消するわけではないことは重々承知しているし、また今後は地方競馬の新たなビジネスモデルを作り出さなければ根本的な解決にならないことも確かである。
そんな作業の中で、我々が忘れてはならない精神を表す言葉をつい先日、メジャーリーグ野球殿堂の職員から聞くことが出来た。
曰く「イチローは野球に対する敬意を持っている。イチローは将来殿堂入りするにふさわしい選手です」
筆者はどのように状況が混迷を極めても、競馬に対する、そして競馬を日々紡ぐ主役たちに対する敬意だけは忘れないようにと誓い、そして競馬場に足を運んでくださる皆さんに感謝を忘れないように誓おう。そういった気持ちがなくなり、競馬が単なるマネーゲームになるようならばその時は実況席から去ればいい。
さてここからはいくつかのトピックスを紹介しよう。
☆ 建依別賞馬 ストロングボス、G1南部杯に挑む!
10月11日(祝月)に盛岡競馬場・オーロパークで行われる第17回マイルチャンピオンシップ南部杯(G1)に登録がある高知競馬所属のストロングボス(6歳牡・打越初男厩舎)は先日のレース後も特に問題なく、予定通り出走する方向となっている。
打越調教師のコメント
「26日のレースは2着だったが休みを挟んで馬が重かったこともあるし、その後体調面に不安も無いので馬主さんと相談して出走しようということになりました。G1に選んでもらえるというだけでも光栄です。メンバーはこれまでとは段違いだし、いきなり勝ち負けは厳しいかもしれませんが、馬にも騎手(宮川実)にもいい経験になると考え、挑戦させてもらいます」
その馬体から発する凄みは全国の強豪馬にもひけをとらないストロングボス。絶好調だった初夏の状態をどこまで取り戻せるか、そして長距離輸送というハードルはあるが、何とか力を発揮して欲しいものだ。
☆ 元高知のLJ北野真弘騎手、園田で10月12日再デビュー!
2003年1月4日をもって騎手免許を返上、西脇トレセンの厩務員として兵庫での再デビューを目標にしてきた北野真弘騎手が、いよいよ10月12日の園田開催で再デビューを果たす事になった。1年10ヶ月もの間、雌伏の時を過ごしてきた高知のリーディングジョッキーがどんな活躍を見せるのかが楽しみだ。ちなみに勝負服は高知時代と同じ物を着用とのこと!
☆ 高知競馬では期待の新人騎手がデビュー!
地方競馬教養センター第80期生として2年間に及ぶ訓練を続けてきた 永森大智(ながもりたいち)騎手が10月10日の高知競馬でデビューを迎える。永森騎手は高知県出身、1986年11月8日生まれの17歳。雑賀正光厩舎の所属となる。
教養センターの修了式で行われた模擬レースでは見事1着に。教官の評価も相当なものという逸材のデビューが待ち遠しい。