NARグランプリ2000レポート

 2月8日、東京・目黒雅叙園、舞扇の間にて「NARグランプリ2000表彰式」並びに「ダートグレード競走最優秀馬表彰」が盛大に行われた。高知競馬からの表彰者は優秀調教師に松木啓助氏、優秀騎手に北野真弘氏、優秀厩務員に別府真司厩舎の松木幸喜氏が選出され全員が出席、晴れやかな舞台で表彰を受けた。

 地方競馬の年度代表馬には栃木のベラミロード(96年生・牝、室井征巳厩舎)が選ばれた。東京盃(GII)をタイレコードで圧勝したのが決め手だろう。内田利雄騎手はインタビューに答えて「恋人のような馬」と表現して会場の喝采を浴びた。

 特別賞に笠松の故・荒川友司調教師。その活躍とメンタリティは忘れない…。ご夫人が壇上に登場するとひときわ大きな拍手が起きたのは言うまでもないだろう。

 もうひとりの特別賞は佐々木竹見騎手。現役として最後に臨むNARグランプリとなった。高知競馬での「チャレンジカップ競走」も3月19日にラストとなる。翌日に黒船賞が控えるだけに何とか出走馬があると面白いのだが…。
 
 特別表彰馬にはハイセイコーとファストフレンド(94年生・牝、美浦・高市圭二厩舎)の2頭。いわずもがなのハイセイコーに加えて、統一GIを2勝しながらJRA賞でなんとも無念の無冠となったファストフレンドの関係者は蛯名正義騎手を含めて全員が出席し、パーティー会場で笑顔をふりまいていたのが印象的だった。
 
 ダートグレード最優秀馬には初の国際ダートG?、ジャパンカップダートの優勝馬ウイングアロー(95年生、牡、栗東・南井克巳厩舎)が選ばれた。今度の日曜日にフェブラリーSに連覇を賭けて臨んだ後はいよいよドバイワールドカップへ遠征だ。
 
 フェブラリーSといえば昨年の黒船賞馬ビーマイナカヤマも登録があるが、グランプリ会場で高市調教師にご挨拶すると「今年も(黒船賞)に行くつもりです」との嬉しいお返事を頂いた。実はその他内緒で有力馬の関係者にも「黒船賞勧誘」をさせてもらったが、果たして楽しみな登録馬はどんなメンバーとなるのだろう。

 これまでご挨拶をする機会のなかった山野浩一さんと初めてお話ができた。「サラブレッドの誕生」が自分のバイブルとなっている事と、高知競馬は関係者全員が状況打開へ努力をしている旨を伝えると、「折角新しい競馬場も作ったのだから頑張らないと」と励ましてくださった。

 「JRAを解体せよ!」という過激なタイトルの本を執筆した1人、日本経済新聞運動部記者・野元賢一さんとも今回が初対面。もちろんその著書は競馬を非難するものではなく、競馬ファンであるがゆえに古い体質を直ちに是正すべきだという意見を述べた書で、それはすなわち「日本国」そのものの体質批判になっているところがミソだろう。野元氏の競馬コラムは日経新聞のサイトの中で読む事が出来る。URLは下記を参照されたい。

 最後にグランプリ当日に開催が行われた川崎競馬でのミストフェリーズのレース。メインのJRA交流(500万下~B2・B3)1600m戦のフェブラリースター賞に人気で出走するもゲート離れが悪く、しかも生憎の不良馬場で直線に向いたところでは掲示板も危うい位置というレース振り。しかし直線だけで猛烈に追い込んで3着とは・・・力が抜けている事だけは証明した内容で、これで川崎移籍後4戦1勝2着1回3着2回。

高知競馬場内実況  橋口浩二

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