2400mのグランプリ、高知県知事賞!

 デルタブルースが元兵庫の岩田康誠騎手を背にメルボルンカップを制すという、日本競馬史上に残る出来事が印象的な2006年もいよいよあと3日を残すのみとなり、新しい年、2007年が間近に迫った。

 高知競馬にとって年末年始とは毎年恒例のグランプリ、サラブレッド系の高知県知事賞(12月31日)とアラブ系の南国王冠・高知市長賞(1月1日)の2レースがやってくることを意味する。何しろ2400mの長丁場。年に一度の距離設定はよく「魔物が棲む」と言われてきたが、なるほど今回データをまとめた過去7年の高知県知事賞において、1番人気が2度しか勝っていないことに気付く。それではまず、その過去7年のレースを振り返ってみよう。

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1999年12月31日
第30回 高知県知事賞 (※馬齢は旧表記)

1着 ウォーターダグ  牡5
57 西川敏 大関吉 2:42:6 4番人気
2着 ミストフェリーズ 牡6
57 北野真 土居高 2:42:8 3番人気
3着 マッケンリーダー 牡7
57 明神繁 浜 田 2:42:9 5番人気

単勝1,080円 枠連複1,620円
馬連複1,760円 枠連単2,620円

 中央競馬で馬名登録を受けながら高知でのデビューとなったウォーターダグが「高知デビュー馬」として初めての高知県知事賞制覇。好位から最後の競り合いを抜け出しての堂々たる優勝だった。最後の最後に鋭く伸びたミストフェリーズがマッケンリーダーやトウショウライデンを交わして2着。この年の出走メンバーは大変豪華で、マルカイッキュウ(11着)やリバーセキトバ(7着)、エイシングランツ(9着)にカイヨウジパング(10着)、更には競走中止だったがナムラコクオーもいるというオールスターのような名前が並んでいる。

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2000年12月31日
第31回 高知県知事賞 (※馬齢は旧表記)

1着 ダイタクカミカゼ 牡8
57 鷹野宏 松岡利 2:43:7 7番人気
2着 ビッグチェイサー 牡4
55 德留康 松木啓 2:44:2 11番人気
3着 ウォーターダグ  牡6
57 西川敏 大関吉 2:44:2 1番人気

単勝1,610円 枠連複4,050円
馬連複56,430円 枠連単10,310円

 まずは馬複の配当を見て当日の驚きを思い出す次第。中央時代は芝の短距離戦で鋭い差し脚を見せていたダイタクカミカゼが残り八百mから先頭に立って押し切ってしまうレースで圧勝。距離不安が囁かれた同馬にこのようなレースをさせる辺りが、マルカイッキュウを手がけたスタッフの凄みと言うべきか。
前年の覇者ウォーターダグが伸びあぐね、これと競り合った旧4歳のビッグチェイサーが2着で高配当の使者に。同じ旧4歳のオオギリセイコーは4着。2006年に最高齢出走で話題を呼んだオースミレパードが5着となっている。

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2001年12月31日
第32回 高知県知事賞

1着 ウォーターダグ  牡6
57 西川敏 大関吉 2:45:5 4番人気
2着 エイシンドーサン 牡7
57 北野真 竹内利 2:45:7 1番人気
3着 マッケンリーダー 牡8
57 明神繁 雑賀秀 2:45:9 7番人気

単勝1,040円 枠連複200円
馬連複400円 枠連単870円

 珊瑚冠賞を快勝したエイシンドーサンが1番人気も、前年3着のウォーターダグが復活の走りで2度目の制覇を果たす。2度勝ったのはベルダンディ、マルカイッキュウに次いで3頭目。最後方からのひと捲りに賭けたエイシンドーサンに対して中団から早めに動いたウォーターダグ。この展開の差が明暗を分けた。マッケンリーダーは溜め逃げから見せ場十分の走りで3着。オオギリセイコーが2年連続で4着。

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2002年12月31日
第33回 高知県知事賞

1着 ウォーターダグ  牡7
57 西川敏 大関吉 2:45:1 1番人気
2着 リンデンスワロー 牡3
55 北野真 雑賀秀 2:45:4 3番人気
3着 スマコバフレンド 牡5
57 堅田雅 大関吉 2:45:6 7番人気

単勝280円 枠連複1,080円
馬連複1,040円 枠連単980円

 黒潮皐月賞と黒潮菊花賞を制したリンデンスワローが、3歳初の優勝を目指して好位を進む。鞍上の北野真弘騎手にとっては未だ手にしていないタイトル、しかも高知所属として最後の知事賞…。しかしこれをマークしたウォーターダグが直線抜け出して史上初の3勝目。西川敏弘騎手は親友・北野真弘に「最後まで勝たせませんでしたよ」と笑った。混戦の3着争いは堅田雅仁騎手のスマコバフレンドが、追い込むカコイサンデーをクビ差抑えた。

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2003年12月31日
第34回 高知県知事賞

1着 カコイサンデー  牡9
55 西川敏 大関吉 2:48:2 1番人気
2着 カルストンストーム牡7
55 倉兼育 大関吉 2:48:3 6番人気
3着 マッケンリーダー 牡10
55 明神繁 雑賀秀 2:49:9 6番人気

単勝310円 馬連複1,770円
馬連単2,310円

 3連覇と4勝目という歴史的勝利が懸かったウォーターダグは回避。替わって1番人気と優勝を手にしたのは大関吉明厩舎の僚馬であるカコイサンデー。
前年の知事賞4着、直前の珊瑚冠賞3着からついに重賞初制覇となった。西川敏弘騎手は3年連続の優勝。2着にも大関吉明厩舎のカルストンストームという決着。マッケンリーダーはまたまた先行策から3着に粘っている。
 
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2004年12月31日
第35回 高知県知事賞

1着 イブキライズアップ 牡6
56 花本正 宮路洋 2:45:3 2番人気
2着 ストロングボス   牡6
57 西川敏 打越初 2:45:9 1番人気
3着 ノボエンペラー   セ6
54 赤岡修 松木啓 2:46:4 6番人気

単勝390円 馬連複340円
馬連単770円 三連単4,990円

 無冠の貴公子がついに重賞初制覇を果たす瞬間がやってきた。2400mでも脚色衰えず、最後までしっかり伸びての快勝劇。重賞初挑戦だった佐賀のサマーチャンピオンから1年4ヶ月の月日を経て、ようやくその実力(長距離適性も)を証明した1戦である。1番人気のストロングボスは申し分ないレースをしたが、この距離では限界もある。3着に6番人気ノボエンペラーが粘って知事賞初の三連単は中穴配当となった。

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2005年12月31日
第36回 高知県知事賞

1着 シルバークロス  牡3
54 中西達 松木啓 2:48:7 4番人気
2着 バンブーウニオン 牡5
55 緒方洋 雑賀正 2:49:2 7番人気
3着 ノボエンペラー  セ7
55 赤岡修 松木啓 2:49:2 5番人気

単勝2,860円 馬連複8,480円
馬連単17,050円 三連単214,860円

 夏場に中央から転入したシルバークロスが、黒潮菊花賞で惜しい2着の後、トライアルを経てグランプリに登場。4番人気ながら活気あるレース振りで、レース史上初の3歳馬による優勝を果たした。成長途上の馬が短期間でどれだけ強くなるかまざまざと見せ付けた1戦。上位人気のシンボリオレゴン、マリスブラッシュ、ストロングボスがいずれも沈み、三連単は20万円台の大波乱となった。バンブーウニオンはバテない末脚が強みで、ノボエンペラーも2年連続3着だから、それぞれ長距離戦への対応力がモノを言った感も。

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 なお高知県知事賞における記録は以下の通り。

最多勝利馬
3勝  ウォーターダグ
最多連勝馬
2連覇 マルカイッキュウ、ウォーターダグ
最多勝利騎手
6勝  鷹野宏史
最多連勝騎手
3連覇 鷹野宏史、西川敏弘
最多勝利調教師
4勝  大関吉明
最多連勝調教師
3連覇 大関吉明
レースレコード
2:36:9 マルカイッキュウ(2400m)
2:26:6 ヨドシャーク  (2200m、旧競馬場)

現役騎手勝利数
6勝 鷹野宏史
5勝 西川敏弘
2勝 花本正三
1勝 西内忍、中西達也

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 過去7年のレースや記録から読み取れるデータは、

◎ベテランジョッキーの騎乗馬
 これは説明不用なくらいデータに出ている。鷹野宏史騎手と西川敏弘騎手の勝利数が異常に多く、若手が勝てないレースという印象。

◎過去に好走歴がある馬
 ウォーターダグなどの勝ち馬だけではなく、マッケンリーダーが3度の3着、現役でもノボエンペラーが2年連続3着しているようにこのレースへの適性のあるなしははっきり出る。

◎1番人気は?
 普段のA級選抜や重賞競走は1600~1900mまでのレースしか組まれていないため適性を見極め難いという状況もあろうが、7年間で1番人気が勝ったケースは2度にとどまる。逆に1番人気が3着以内に入れなかったという例も2度だけ。1番人気は3着以内に入る有力馬という考え方が出来る。

◎重賞勝ちの実績
 高知県知事賞が重賞初勝利というケースは意外と多い。過去7年でなんと5頭が該当する。秋の重賞・珊瑚冠賞(1900m)からの連勝馬も2002年のウォーターダグ以来出ていない。

◎性齢斤量
 牝馬は以前にミスピノキオ、ミョウエイアリーなどの優勝例もあるが全体的には不振。年齢は3歳から9歳まで幅広い優勝馬が出ており、あまり気にする必要はない。斤量は1997年までは賞金ハンデ別定でかなりの差が付いていた(60kg-53kgなど)が、現在は「別定2」(詳しくは高知競馬番組編成要領、当サイト内で閲覧できる)で、「三歳以下54kg・四歳以上55kg 前5走 若しくは番組編成日前3ヶ月のA1級競走の1勝毎に1kg 増 最高重量58kg 牝2kg減」という規定となっている。

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 さあ、これらの戦歴、データを踏まえて今年のメンバーを見てみよう。

第37回 高知県知事賞
(サラ系3歳以上OP 2400m)
(12月25日時点の出走予定馬)

マルタカシャイン  55kg
ニッタレヴュー   57kg
ゲイリーファング  55kg
サンエムウルフ   55kg
ストロングボス   56kg
マイネルリチャード 56kg
マリスブラッシュ  55kg
トサノビッグ    55kg
ノボエンペラー   55kg
チェリーキング   55kg
バンブーウニオン  55kg
 
 今年は3歳及び牝馬の出走はなく、斤量は55-57kgと最高でも2kg差。

過去に重賞勝ちのある馬は、

ニッタレヴュー
05年笠松・スプリング争覇、06年二十四万石賞  
ストロングボス
04・05年建依別賞、05年二十四万石賞
マイネルリチャード
06年珊瑚冠賞

また過去の高知県知事賞成績は、

ストロングボス   04年2着、05年7着
マリスブラッシュ  05年10着
ノボエンペラー   04年3着、05年3着
バンブーウニオン  05年2着

で、あとの各馬は重賞未勝利で、高知県知事賞は初出走となる。

 それでは出走予定各馬の短評を。

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マルタカシャイン
6歳牡 炭田健二厩舎
 
 3歳時に中央でデビューも未勝利で岩手へ。岩手3歳戦で3勝して中央へ復帰すると04年4月に笠松交流(千四)、12月に阪神500万下ダート千二、そして今年2月に小倉500万下ダート千と中央所属でも3勝を挙げている。
 ダート短距離で活躍するエブロス産駒で長距離適性は疑問だが、近走のA級選抜で好走しているところから、スローペースで息を入れながらというレースをすればその決め手でアッと言わせるシーンも。

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ニッタレヴュー
8歳牡 雑賀秀介厩舎

 高崎、大井、名古屋などを転戦してきた古豪。昨年4月に笠松で勝ったスプリング争覇が重賞初勝利だが、名古屋グランプリやかきつばた記念とダートグレード競走の出走経験も持つ。高知では黒船賞で12着に大敗したものの、1900mの二十四万石賞を差し切って見せ、中距離での奥深さを証明した。
 秋の珊瑚冠賞では3着だが、春から安定感を保ってレースが出来ている強みがここで活きるか。
 
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ゲイリーファング
6歳牡 宮路洋一厩舎

 中央で新馬勝ち(D千二)した外国産馬。なかなか2勝目が挙げられず、兵庫に転入したが、ここでは6連勝するなどの活躍でOPへ上がっている。
 05年6月の園田フレンドリーカップ(1230m)ではシンドバッドの3着に食い込んだが、短距離の差し馬という印象で活躍範囲はマイルまで。高知移籍は昨年の大晦日。黒船賞で地元最先着の5着と活躍したが、その後の勝ち星は7月にA級2組(千四)で挙げた1勝だけ。溜めて溜めてどこまで伸びるかという期待の仕方になるか。

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サンエムウルフ  6歳牡 別府真司厩舎

 中央でダート千八3勝という実績を残した馬。ただし昨年9月に武豊騎手で3勝目をマークしてから、この10月まで長期休養を挟んでおり、どこまで良化してくるかに注目されている。高知では福山遠征も含めて5戦0勝2着2回。前走のA級2組でマリスブラッシュにクビまで詰め寄っているから、
 徐々に良くなっている感も。アジュディケーティング産駒で母系は中距離向きの構成。一変あれば馬券圏内か。

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ストロングボス
8歳牡 打越初男厩舎

 大井1戦1勝、それも圧勝で期待された馬だが、残念ながら脚部不安で長期休養を余儀なくされた。高知転入はそのデビュー戦から1年9ヵ月後。540kg前後の雄大な馬格から繰り出すパワー溢れる走りでたちまち12連勝し、デビューから13連勝をマークした。C級条件ながら挑戦した04年だるま夕日特別で、その年の黒船賞で6着となるベストライナーに半馬身差2着したレースも印象的だった。本格的にOPクラスに登場したのは6歳の5月。いきなりイブキライズアップを破った四万十特別の勢いもそのままに建依別賞で重賞初制覇。その後は建依別賞連覇や二十四万石賞勝ちとタイトルを重ね、南部杯への挑戦も経験。依然として脚部不安が解消することはないが、それでもきちんと能力を発揮したレースでは強さが際立つ。近走はかなりいい状態を披露しているため期待は大きいが、長距離は得意条件とは言えない。

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マイネルリチャード
4歳牡 田中守厩舎

 未完の大器といった風情を持つ高知の若大将。中央デビューで2着1回、3着2回という惜しい成績の未勝利馬。芝と障害戦しか経験せずに今年1月高知へ転入。当地ではC級スタートから5連勝。春の二十四万石賞では中団から動いて4角先頭という堂々たる競馬を見せ、最後はニッタレヴューの差し脚に屈したものの、経験や年齢を考えれば上々の結果だろう。建依別賞は2着混戦の中に加わって4着。秋の珊瑚冠賞では再び4角先頭の競馬から今度はシルキーゲイル、ニッタレヴューを振り切って重賞初制覇。鞍上に反抗したり、手前を替えなかったりという若さを残しての走りは見事だ。福山交流ではチェリーキングの強襲に敗れ、名古屋グランプリは体調不良で無念の除外と不運が続いたが、高知県知事賞を制して軌道修正できるか?除外の影響は軽微との事だが、名古屋への往復輸送もあって万全ではないかもしれない。
 それでも今後の高知競馬を背負う1頭というのは明らかな存在。

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マリスブラッシュ
5歳牡 田中譲二厩舎

 スピニングワールドの産駒で中央1勝(ダート千m)。強い時と脆い時の差がはっきり出るタイプの馬だ。やや短距離向きの成績だが、持ち前の意外性は魅力十分である。今年は黒船賞を6着と健闘し、二十四万石賞が4着、建依別賞5着、珊瑚冠賞6着と重賞競走の皆勤賞。知事賞6勝の鷹野宏史騎手をもってしても昨年は10着と長距離の壁を破れなかったが、果たして今年は?
 意外性を発揮するシーンがあるのかどうか。

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トサノビッグ
9歳牡 松木啓助厩舎

 中央未勝利から転入した高知で6戦6勝をマーク。更に大井でC級8勝を挙げている。7歳時に再び高知に戻って、今度はOPクラスまで出世を果たす。
 重賞出走は昨年の建依別賞1度だけ(7着)。いったん降級したが、再び上がって来ての2度目の重賞競走が今回の高知県知事賞になる。勝ち星はすべて千六以下で、中央時代に芝二千m、また高知と福山でダート千八を1度ずつ経験しているが目立つ結果は出ていない。休み明けを2度叩いてどこまで上積みがあるか?体調面にも注目したい。

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ノボエンペラー
8歳セン 松木啓助厩舎

 トウカイテイオー産駒で、現在この高知県知事賞で2年連続3着だ。爪が弱く蹄鉄を打つのに苦労していたが、跣蹄馬として走る事で47戦18勝2着9回という成績を残し、OPクラスまで出世した。2年前はB級から格上挑戦で3着に食い込み、前年はA級選抜好走からの3着。勝ちきれずともこうして上位に入る辺りがレースとの相性というものか。相変わらずローテーションはゆったりしていて、今回は11月12日のA級3組1着からの直行。果たして3年連続で好走なるか、楽しみな1頭だ。

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チェリーキング
4歳牡 大関吉明厩舎

 今回の高知県知事賞最大の惑星はこちら。重賞どころかA級選抜にも出走したことがない馬が、福山の交流競走で珊瑚冠賞馬マイネルリチャードを差し切って存在感を一気に上げてきた。元来「距離が伸びれば」が陣営の口癖だったが、見事にそれを実証してみせ、本番が楽しみである。父はキングマンボの全弟ミシックトライブ。母系は実に重厚で、祖母の従兄弟にホリスキー。
 メジロモンスニーらを出したヴァレンシアナの一族にあたる。大関吉明厩舎で主戦が西川敏弘騎手。ウォーターダグやカコイサンデーで近年の知事賞を席巻しているスタッフが送る、未知の魅力に溢れた挑戦者である。

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バンブーウニオン
6歳牡 雑賀正光厩舎

 中央未勝利から兵庫で頭角を現した同馬。昨年7月に兵庫A級から転入し、高知ではずっとA級各付けで戦っている。昨年は重賞に2度登場し、珊瑚冠賞、高知県知事賞いずれも2着となった。それぞれ9番人気と7番人気だったので三連単が20万円台になるというオマケ付き。穴党には忘れられない馬となっただろう。今年になってからはあまり目立たないが、前走は後方からそろりと動いていたので、またまた一発を期待してしまうところだ。イージーゴーアの肌にタイキブリザード。パワフルな末脚タイプ。

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 さあ、そして1月1日にはアラブのグランプリ、南国王冠・高知市長賞だ。
出走予定馬は、

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南国王冠 第34回 高知市長賞
(アラ系4歳以上OP 2400m)

エスケープハッチ
ニュータイム
ソリダリティ
オーサカスズメ
ムサシボウルビー
メカリジョージ
ファルコンパンチ
イケノグレイス
キープサイレント
センターカノン

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の10頭である。

 このレースを2連覇中の“47勝馬”エスケープハッチはやや間隔を開けての登場。11月19日のガーベラ特別を3着に敗れて以来のレースである。陣営は3連覇に向けての立て直しに懸命であろう。距離は申し分ないし、順調であれば3連覇は堅いところだが、後はどこまで復調してくるかの1点に懸かる。やはり“勝つ”ということは相当な負担が掛かるのだということを改めて知らされる思いだ。あの豪快な脚を元日から見たい。そんなファンの想いをかなえられるか?そこがこのレースの最大の焦点となるであろう。

 直前のA級選抜戦ポインセチア特別は波乱となったが、勝ったソリダリティの生きの良さと、2着になったキープサイレントの充実振りが目を惹く。特にこの距離ならばキープサイレントの決め手に注目したい。

 ムサシボウルビーは昨年度の2着馬。前走の取消しで不安を残すが、実力はメンバー中でも上位。ファルコンパンチの安定感も買いたいが、こちらは昨年度のこのレースで7着と結果が出なかったのをどう取るか。

 ニュータイムとメカリジョージにとっては待ちに待った長距離戦。昨年5着のメカリジョージにはバテない末脚がある。昨年の上位馬が引退したり、不安がある現状なら好走があってもおかしくないところ。

 ではここで、昨年度の成績を紹介しておこう。

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南国王冠 第33回 高知市長賞
(アラブ系オープン 2400m)

1着 エスケープハッチ 牡6
58 赤岡修 田中譲 2:50:4 1番人気
2着 ムサシボウルビー 牝4
53 中越豊 炭田健 2:51:9 4番人気
3着 マルチジャガー  牡5
57 西川敏 松木啓 2:52:0 2番人気
4着 トサノアバレンボウ牡6
55 上田将 田中譲 2:52:3 5番人気
5着 メカリジョージ  牡9
55 西山裕 工藤英 2:52:9 10番人気
6着 シンワテイセン  牡8
55 緒方洋 雑賀正 2:53:2 7番人気
7着 ファルコンパンチ 牡6
55 堅田雅 大関吉 2:53:3 9番人気
8着 ハナサキボタン  牡8
56 永森大 雑賀正 2:53:4 11番人気
9着 スカイプリティー 牝7
53 中西達 打越初 2:53:9 8番人気
10着 ホーエイヒカリ  牝7
53 鷹野宏 國澤輝 2:55:2 12番人気
11着 イケノグレイス  牝7
53 花本正 宮路洋 2:56:4 3番人気
12着 アンドダッシュ  牡7
55 倉兼育 別府真 2:59:8 6番人気

単勝190円 馬連複2,450円
馬連単2,800円 三連単6,610円

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 アラブ系競走馬が減少する中で、どのタイミングまでアラ系の重賞競走が出来るかは不透明。それだけにこのタイトルは高知競馬史に残る可能性もある。
王者エスケープハッチが恐らく人気となる中できっちりと名前を残す走りを見せるか?それとも3連覇を阻止する馬が現れるのか?高知県知事賞と南国王冠・高知市長賞。年末年始は高知競馬のグランプリというドラマをぜひお楽しみに!

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