3月18日に決戦の時を迎える、農林水産大臣賞典・第5回黒船賞(G3)の出走予定馬は、13日水曜日現在で下記の12頭となっている。
JRA
サウスヴィグラス・スノーエンデバー・
ノボジャック・ノボトゥルー
他地区
スピーディドゥ・エイシンオニオンタ・
ゼンノモトーレ
高知
ジョイフライト・エイシンドーサン・
マッケンリーダー・ライジングハント・
グリーンヘラクレス
名古屋のゴールドプルーフ(全日本サラブレッドカップG3勝ち)が回避したのが何とも惜しまれるが、それでもダートG1馬2頭、G2・G3の勝ち馬がそれぞれ1頭ずつという遠征馬の陣容は5回目にして史上最強のメンバーと呼んで差し支えないだろう。
さあ今回の黒船賞でJRA・地方競馬他地区からの遠征してくる7頭を紹介していこう。なお騎手についてはあくまでも騎乗予定である事を付しておく。
また成績については全て満年齢での表記に変えてある。それではまずJRAの4頭から。
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サウスヴィグラス
牡6 栗毛 調教師 高橋祥泰(JRA)
父 End Sweep
母 Broom Dance
母父Star de Naskra
通算成績 25戦9勝
(地方出走は2度)以下は主な戦績
2歳 11月にデビュー、2戦目の12Dで初勝利。
3歳 500万下の朱竹賞(12D)で2勝目
12Dの900万下で3勝目
4歳 12Dの門松Sで4勝目(準オープン特別)
貴船S(12D)準オープンで5勝目
5歳 北海道スプリントC(G3)を2着(勝ち馬ノボジャック)
東京盃(G2)を6着
武蔵野S(G3)では14着
OP特別の霜月特別(12D)優勝
6歳 ガーネットS(G3)でブロードアピールの2着
根岸S(G3)を優勝
フェブラリーS(G1)6着に踏ん張る
という戦績で分かるとおり、デビュー当初から短距離のダートに抜群の適性を示してきたが、この6歳シーズンは更に力を付けており、ガーネットSで勝ちに等しい2着となると、1400mの根岸Sで重賞初制覇。更に距離が長いと思われたフェブラリーSでも6着と大崩れせず、今回の56キロの斤量ならG1馬2頭を相手にも当然主役を務める一頭になろう。
騎乗予定 柴田善臣騎手
JRA平地通算 9284戦1140勝
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スノーエンデバー
牡8 鹿毛 調教師 森秀行(JRA)
父 キングハイセイコー
母 スターランズ
母父 プロント
通算成績 45戦12勝
(うち地方競馬8勝)以下主な戦績
2歳 新潟競馬場で認定デビュー勝ち
東北サラブレッド3歳チャンピオン8着
3歳 JRAへ移籍後
夏の新潟で500万下芝2000mを優勝
神戸新聞杯(G2)6着
アルゼンチン共和国杯(G2)2着
JC(G1)へ挑んで13着
4歳 中日新聞杯(G3)3着
夏に900万下、1600万下を連勝
札幌日経OPを優勝
カブトヤマ記念(G3)2着
5歳 5月の群馬記念(G3)優勝でダート戦線へ
かしわ記念(G3)5着
帝王賞(G1)6着
佐賀記念(G3)、ブリーダーズゴールドC(G2)、
日本テレビ盃(G3)、さくらんぼ記念(G3)と
ダートグレード4連勝!
6歳 出走せず
7歳 2年ぶりの出走、名古屋グランプリ(G2)9着
8歳 佐賀記念(G3)7着
フェブラリーS(G2)13着
何より目を引くのが5歳時のダートグレード4連勝の実績だが、その後約2年の長期休養から復帰。今回が休み明け3走目となるも果たしてあの豪脚の復活はなるのか?群馬記念(1500m)でも勝っているため距離というよりは状態の問題となりそう。
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ノボジャック
牡5 栗毛 調教師 森秀行(JRA)
父 French Deputy
母 Flight of Angels
母父 Afleet
通算成績 22戦9勝
(うち地方交流重賞6勝)以下主な戦績
2歳 京王杯3歳S(G2)2着
3歳 ヒヤシンスS優勝
4歳 すばるS優勝
黒船賞G3、群馬記念G3、北海道スプリントCG3
クラスターCG3、東京盃G2、JBCスプリントG1
(ダートグレード6連勝でG1制覇)
とちぎマロニエCG32着
5歳 根岸S(G3)8着、フェブラリーS(G1)10着
言わずと知れた昨年の覇者。その後6連勝で第1回のJBCスプリントを優勝しNARグランプリの特別表彰を受けたのは記憶に新しいところである。この馬とクロフネ(2001年ダートグレード競走最優秀馬)が共にフレンチデピュティ産駒であったところから急遽父が種牡馬として本邦輸入となるなど、センセーションをまき起こした。今回は同型のサウスヴィグラスとの兼ね合いや斤量がハンデ頭となる59キロである点、更にJBCスプリント以来勝ち星から遠ざかっている事など不安材料がないではないが、昨年の参戦直前のフェブラリーS(13着)からすると、今年のよりレベルの高い同レースでまずまずの内容を見せているわけで、あっさりと2連覇のシーンも。
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ノボトゥルー
牡6 鹿毛 調教師 森秀行(JRA)
父 Broad Brush
母 Nastique
母父 Naskra
通算成績 35戦7勝
以下主な戦績
2歳 ダート1600m未勝利勝ち
3歳 ダート1600m500万下
4歳 ダート1700m900万下 伊良湖特別
ダート1400m900万下
5歳 ダート1200m1600万下 ジャニュアリーS
根岸S(G3)
フェブラリーS(G1)
(3連勝でG1制覇)
かしわ記念(G3)2着
日本テレビ盃(G3)4着
南部杯(G1)3着
JBCクラシック(G1)4着
JCD(G1)4着
東京大賞典(G1)9着
6歳 根岸S(G3)2着
フェブラリーS(G1)3着
勝ち星こそ昨年のフェブラリーS以来遠ざかっているが、この1年を通じて常にダートグレード競走で上位を争ってきた一流馬。ジャパンカップダートでもクロフネを唯一負かしに行っての競馬で4着は立派だった。昨年の根岸Sをレコード勝ちしているように、本質的には距離の持つダートスプリンターである可能性があって、今年の根岸S・フェブラリーSの内容からもこの路線での結果を見てみたい。
騎乗予定 後藤浩輝騎手
JRA平地通算成績 4403戦460勝
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続いては地方他地区からの参戦馬、3頭を紹介していこう。
なお戦績中(D)はD重賞競走を表す。
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スピーディドゥ
牡6 鹿毛 調教師 高橋三郎(大 井)
父 ダイタクヘリオス
母 マツクスゲニー
母父 デイクタス
通算成績 41戦7勝
(うちJRA3勝)以下主な戦績
3歳 JRAデビュー初勝利は3歳6月、9戦目の1200mダート戦
4歳 1200mダートで2勝目
1700mダートで3勝目
秋に大井へ移籍
5歳 明けてB級の初富士賞勝ち
A2以下のよみうりランド皐月盃などを制してOPへ
初重賞挑戦となった報知オールスターカップ(D)優勝
返す刀でアフター5スター賞(D)を制し重賞2連勝
東京盃(G2)8着
小休止の後、かちどき賞(準重賞)5着
6歳 1月2日の報知グランプリカップ(D)で8着
昨年ナショナルスパイで2着の成績を残した高橋三郎厩舎から今年も参戦。
スピーディドゥはJRAダート3勝の実績だが、昨夏に南関東の重賞を連勝して一躍スター街道へ。グレード競走での力量は東京盃8着という結果だけではまだ計れず、今回の結果に注目したい。1月2日以来の実戦、状態面については追い切りなどを含めてじっくり検討したい。
騎乗予定 見澤譲治騎手(浦和)
NAR通算成績 8525戦1091勝
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エイシンオニオンタ
牡5 黒鹿毛 調教師 伊藤強一(笠 松)
父 Dynaformer
母 Mismatch
母父 Polish Navy
通算成績 19戦8勝
(うちJRAで2勝)
2歳 JRA阪神でデビュー、2戦目の1800mダート戦で新馬勝ち
3歳 芝で2戦も7,6着。その後1年近く休養
4歳 500万下1400mダート戦で2勝目
しかしその後2桁着順を続けて笠松へ
笠松A・B混合を連勝、3歳重賞オータムカップに臨むも9着
しかしその後着実に力を付け、A一般特別を4連続連対(うち2勝)
5歳 明けての重賞競競走・東海ゴールドカップ(D)を2着、
オープン特別の東海クラウン(2月27日)を優勝している
まだ成長途上という印象の外国産馬。ダイナフォーマーは北米リーディングトップ10に入るようなロベルト系の種牡馬で、叩いて良くなるのはこの系統の特徴だ。JRA時代に頭打ちと思われた馬が地方競馬で更に上位の力を身に付けるのは珍しい事ではなく、それは馬場適性等の他にも色々なファクターがあると思われる。高知代表エイシンドーサンもそんな1頭で、エイシン二騎の対決もまた楽しいものだ。
騎乗予定 川原正一騎手(笠松)
NAR通算成績 15023戦2397勝
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ゼンノモトーレ
牡8 青鹿毛 調教師 村上頼章(大 井)
父 Devil’s Bag
母 Strait Lane
母父 Chieftain
通算成績 42戦6勝
(うちJRA6勝)
3歳 2月にJRA京都(1800mダート)新馬勝ち
4歳 約10ヶ月ぶりの出走で2連勝
500万下(1200mダート)と
芝1600m(900万下・山陽特別)
夏には芝1400m戦で2連勝(阪神・京都)
5歳 18芝(1600万下の飛鳥S)で6勝目
オープンクラスでもう一息の成績
6歳 大井へ移籍
オープン特別2着が最高で、重賞でも入着までだが、
京成盃グランドマイラーズ(D)3着が光る
7歳 さきたま杯(G3)5着
さくらんぼ記念(G3)2着
朱鷺大賞典(G3)5着
とちぎマロニエカップ(G3)6着
と、交流重賞で好走を見せる
8歳 まだ出走なし
古豪健在どころか、昨年はさくらんぼ記念でセタノキングに次ぐ2着。もう一歩でグレードレース初優勝というところにこぎつけた。今回はホワイトテンション(兵庫)の回避に伴っての繰り上がりだが、実績では他馬にひけをとらないものを持つ。昨年12月のとちぎマロニエカップ以来というローテで、放牧先でも乗り込んでいるとの事。状態などは細かくチェックを入れておきたい。
騎乗予定 森下博騎手(川崎)
NAR通算15674戦2113勝
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