今年のサラ系3歳三冠路線の第1戦、黒潮皐月賞は4月29日日曜日の10Rにゲートインを迎える。
過去4回の勝ち馬は順にイージースマイル・カイヨウジパング・ギャロップスキー・オオギリセイコーの4頭だが、うち2頭が三冠を制覇、イージースマイルも高知優駿との二冠を制しており、勝ち馬のその後の活躍が約束されるレースと言ってもいいだろう。
今年様相が違うとすれば高知競馬デビュー馬の連勝が止まるかもしれないという点。昨年も北海道デビューのビッグチェイサーが人気サイドで登場したが、勝ったのは高知デビューのオオギリセイコー。今年はカチマサル、リードチヤンピオンらの移籍組に金の鞍賞2着のマルチラブリーが立ちはだかるという構図。5回目にして初の移籍馬の優勝となるのかどうか。
カチマサルはTR若葉特別の敗戦でいくつかのエクスキューズが付けられたが、この2戦で内枠・雨馬場を克服して好内容のレースを見せている。距離延長はむしろ歓迎だろうが、大物感を漂わすだけにこの黒潮皐月賞で今後に向けての評価を不動にしたいところ。
ヒシマサル・ミスターシービーという「甘い追い込み配合」だが、こういうタイプがスピードに対応できれば相当やれるはず。
マルチラブリーは牝馬ながらレースセンスの良さ、スピードの持続力などある程度の水準をすでにクリアーしている3歳馬だ。高知優駿の距離はプラス材料とはなり難いだろうから、ここは重賞初制覇の大きなチャンスとなる。降雨は歓迎のクチ。
同じく牝馬のミューはスタートダッシュだけならこのメンバーでもナンバーワン。若葉特別でもそうだったが、この馬が作るペースこそが展開のカギを握りそう。
リードチヤンピオンは長い四肢と胴の造りに特徴がある単穴候補だ。忙しい展開にはまだまだ対応力が足りない様子だが、長い目で見るなら走ってくる潜在能力は秘めているだろう。同じ北海道組のリニアキングも展開ひとつで上位に食い込む可能性が。
ラランチャ・クロシオタイガー・マルゼンスイートの高知デビュー牡馬3頭にはそれぞれ特徴があって、まだ総合力や完成度では上位と差があるムードだが、それでも好走すれば先が楽しみになるという点での期待が持たれる。もちろんどこでデビューしたかという事での区別をあまり強調するべきではなかろうが、意味を持たない事ではない。夏から秋へかけてこういうメンバーが強くなってくれば高知競馬の3歳路線も楽しみが増すというものだ。
前4回とは明らかに違う状況で迎える黒潮皐月賞。天候は微妙だがゴールデンウィークにふさわしい熱戦となりそうだ。このレースが多数のファンの声援に彩られるように。