緒方洋介騎手の旅立ち

 11月15日、高知が生んだ幕末のヒーロー・坂本龍馬の誕生日がやってきた。そしてその記念すべき日に、単身米国へ乗り込み武者修行をしようという若者が旅立つ事となる。その若者の名は高知競馬所属の騎手「緒方洋介」。

 今回の武者修行はアメリカはダイヤモンドバックスでお馴染みのアリゾナ州、フェニックスにあるターフパラダイス競馬場で行われる。期間は12月20日の帰国まで約1ヶ月の予定。レースでの騎乗については未定だが、何よりもそのチャレンジ精神を称えようではないか。

 競走に臨んでの騎手や厩舎スタッフの技術はもちろんの事、彼の地に存在する「馬と暮らす文化」「科学的な考え方」など参考になる事は多いだろう。アメリカで厩舎を訪ねれば、そこにいる競走馬達がいかにストレスを感じずにいるかが体感できる。日本の厩舎にいる競走馬とは(もちろん個体差はあるが)比較できないくらいにリラックスしている事が分かるのである。馬を頭ごなしに怒鳴りつけるグルーム(厩務員)などいないし、そうすることに何の意味も無い事を彼らは知っている。

 平坦な小回り馬場で、ウォーキングマシーン以外には取り立てて特別な施設も無い環境の中であれだけの強い馬を作り出せる「アメリカ」の競馬。日本での滞在期間を考えれば恐ろしいほどの成績を残したケント・デザーモを始め、スポーツ選手としての存在感がひときわ違う「アメリカ」の騎手。デビューから1年という「熱い鉄」の時期にこういった経験が出来る緒方騎手は素晴らしい成長を遂げるであろう。

 最近出版された村上龍著の「おじいさんは山へ金儲け」にという本がある。日本の昔話(例えば一寸法師やかぐや姫など)を使って「投資」の基本的概念と基本的知識を提供するという一風変わった絵本だが、その副題が「時として、投資は希望を生む」である。

 この本の中にはアナリストの山崎元と北野一の会話形式でこういう一節が出てくる。
 戦後の日本はある意味で「ローリスク・ハイリターン」だった。
それは土地への投資と、サラリーマンの年功序列・終身雇用制度。
本来は「ハイリスク・ハイターン」や「ローリスク・ローリターン」というのが当たり前で、「ローリスク・ハイリターン」が成立するならば他は何も考えないでいい。土地神話・受験戦争はこうして起きたものだが、この10年間でそれらは全て崩壊してしまった。

 投資という言葉に「ギャンブル性」を感じてしまう日本人に対して、「リスク」を取る事などの基本的概念を説明しようとすればこういう寓話的な手法は成功だったかもしれない。もう少し突っ込んでいけば「自己責任」を理解する教科書であるとも言えるだろう。

 少し脱線したが、ここまでに「ああそういえば”日本の株式会社の原型”(亀山社中)は坂本龍馬が作ったのだったな」、と連想できた方は合格。

 もはや「ローリスク・ハイリターン」は無い。ならば個人の資質や財産は自分で守り、育てなければなるまい。知識を求め、必要ならば投資を行い、出資者を募り、旧来の陋習にとらわれず進取の姿勢を貫き、来るべき時代に備える…。
これは正に150年も前に龍馬が見せた生き様ではないか。

 緒方洋介騎手が一ヶ月のアメリカ修行で何を掴んでくるか?
もちろんそれは大事な事だが、目の前の収入に直結する開催を休んでまで今アメリカに旅立つ姿勢こそを評価したい。(またそれを許してくれた周りの人々にも感謝するべきである)
それは筆者が「個人のスキルアップの集合体となる高知競馬」こそが、ファンの支持を得る事が出来ると信じているからだ。
~時として、投資は希望を生む~ のである。

キャンペーンなど
ショートムービー「遠回りの春」
「ギャンブル等依存症対策啓発動画 ~一人で悩まず、家族で悩まず、まず!相談機関へ~」


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