高知競馬第13回開催の能力検査が15日に行われ、5Rで34頭が出走し31頭が合格した。うち未出走2歳新馬(アラ系)が1頭、移籍2歳馬が4頭(サラ系3、アラ系1)、サラ系移籍3歳馬が7頭。
古馬の長期休養明けがサラ系で3頭。移籍古馬は16頭(うちアラ系が5頭)という内訳になっている。
1Rは2歳馬6頭が合格。アラ系で目をひいたのが北海道未勝利ながら手応え抜群の走りを見せたハッピースカイ(牝・谷力厩舎)。福山金杯勝ちのブラウンソプラノの妹でヘイセイパウエル産駒。小柄だし能検でも4着入線なのだが、正に引っ張り切りという内容だった。
同じアラブで高知生え抜きデビューのブルーセンプー(牡・松木啓助厩舎)はトライバルセンプー産駒。449キロで5着の入線。
サラ系では1着入線のビービーダンス(牝・谷力厩舎)を始め、北海道未勝利からの転入馬が3頭合格。そのビービーダンスはグルームダンサー産駒で、叔父はJRA青葉賞のマウンテンストーン。
3着入線のホクレアコマンダー(牡・谷力厩舎)は米からの輸入牝馬にエアダブリンという血統。もう少し馬体に成長があればいずれは走ってくるかもしれない。北海道の認定競走でも3着は拾っている。
アズマイースト産駒というトップミサイル(牡・雑賀正光厩舎)は内々を回っての2着入線。叔父にJRA鳴尾記念勝ちのマルブツウイナーがいる。
2Rは3歳のサラブレッドが7頭合格。
大井で新馬勝ち、2歳牝馬の選抜戦・すみれ特別で2着という実績を持つのがタキノマドンナ(牝・山岡恒一厩舎)。能検でも逃げ切りで貫禄を見せた。
後は皆JRAの未勝利からの移籍だが、その中に3頭の牝馬がいる点に注目。JRAの施策の変更があって、今後はこういった形での牝馬の転入が増えてくるだろう。黒潮乙女賞のような牝馬限定戦が賑わってくる可能性もある。
その牝馬の中ではブルーレジーナ(松木啓助厩舎)が最先着となる4着入線。名門ソシアルバターフライ系(トウショウボーイ以下活躍馬綺羅星の如し)にナグルスキーという配合である。めずらしくステッキを入れてのレースとなったが、じわじわと伸びを見せた。
男馬ではカネトシプログレス(土居高知厩舎)が2着に入線。兄ミナミノジャックがJRA5勝、いとこのキャノンゼットが金鯱賞勝ちと活躍馬が出ている母系にウォーニングという配合。馬体重424キロは小柄だが、エイシンプサンのような”当たり”となれるか?
3Rは古馬のメンバーでサラ系5頭、アラ系1頭が合格。
長期休養明けのコナサンセットはJRA未勝利の後、高知で6戦4勝の好成績。D級格付けなら叩いた後は軌道に乗れそうだ。
マイネルクレイン(牡・炭田健二厩舎)が先行しての1着入線。JRAでは芝の1200mで1勝している。ゴールデンフェザントの産駒で3代母がオークス馬のエルプス。これもD級格付け。
2着入線のスタープロテウス(牡・大関吉明厩舎)が面白そうだ。
JRAでは1800mのダートで1勝。名古屋A3で2着、岩手C3勝ち、上山B特選2着ならD級格付けは恵まれた。クリスタルグリッターズ産駒で、上記のブルーレジーナと同じくソシアルバターフライの一族。能検での手応えは上々と言えそう。
このレースで唯一のアラブ系だったシナノアロー(牡・国澤輝幸厩舎)は笠松でA級にまで昇格していた。526キロの大型馬で初勝利が25戦目と遅咲きタイプ。D級格付けだけに活躍できそう。
4RではJRAダート3勝、中津A級勝ち、新潟A2の2着があるという実績馬エビスシューター(牡・甲田守厩舎)が1着入線。7歳になっているがB級格付けからどこまでやれるか楽しみ。マルゼンスキーの肌にエブロスならしっかり筋が通っている。
2着入線のユウキシャトル(牡・東原己俊厩舎)は佐賀の栄城賞で6着、川崎C2で好走している馬。いとこに高知でデビューしたセトアンゼラがいる。
JRA未勝利から高知移籍後5連勝をマークしたトサノビッグが3着入線で戦列に復帰する。実戦は7月7日以来となるが、D級で果たして連勝を伸ばせるか。能力的にはC級辺りで終わる素材ではない。
アラブ系ではスーパーストロング(牡・細川忠義厩舎)が合格。岩手でデビューしたロイヤルシャーク産駒で、AB混合戦までを勝って上山へ移籍。ここでは重賞競走の常連ともなったが、残念ながら入着級の成績に終わっている。
5Rは華麗なる”トリオ”が素晴らしいレースを見せた。南国王冠・高知市長賞へ向けて(と思われる)間に合うタイミングで各地のアラブオープン級3頭が合格したのである。
まず1着のノースガバナー(牡・雑賀秀介厩舎)。兵庫ジュニアカップで2着して早くから素質を見せていたが、それが開花したのは今年(6歳)になってから。春先から快進撃を見せて夏の摂津杯で5着と健闘。508キロの堂々たる体躯で初重賞制覇を目指す。
2着はマツノホープ(牡・山岡恒一厩舎)。実績ではナンバーワンで岩手時代に東北アラブ3歳チャンピオンと金杯を優勝。福山では西日本アラブダービーを3着し、ローゼンホーマ記念を2着。弟がモナクマリンとこちらも活躍馬。
トリオの3番手が3着入線のアローパッション(打越初男厩舎)。
中団の外という位置取りから1~2着馬に差の無いところまで追い込んだが、手応えは十分で長距離戦にも対応できそうだ。兵庫デビューでOPクラスの特別戦を勝って福山へ移籍。福山大賞典2着、ローゼンホーマ記念3着などの成績で重賞勝ちはまだないが、高知コースに相性が合えば大化けもあるだろう。
アラブ3強に水を開けられたサラブレッド系のメンバーだが、近親にエアエミネム・アラバンサ兄弟がいるというオースミキャプテン(牡・松岡利男厩舎)が移籍してきた。JRAでは芝のマイル戦ばかりを3勝。ダート3戦がいずれも二桁着順だったのが気になるところ。
A級格付けとなる。
高崎のスプリンターズ賞(1500m)を2連覇しているイズミホーガン(牡・国澤輝幸厩舎)がC級に注目の転入。8歳と高齢だが、この格付けなら距離も合うだろう。
後はアーサス(牡・松木啓助厩舎)が北海道OP特別・大井B2の勝ち馬でA級へ。マイネルラッシュ(牡・炭田健二厩舎)がJRA18ダート1勝の成績でC級へそれぞれ転入してくることになる。