第8回黒船賞情報(2)

 続いては地方他地区からの遠征馬を紹介する。過去の黒船賞では地方他地区馬の成績は以下の通りだ(除外馬は除く)。

延出走頭数19   
1着 0
2着 1
3着 3
4着 2
5着 3
着外10

 実は過去7回で6勝と圧倒的な実力を見せるJRA勢だが、3着までを全てJRA馬で占めたケースは1回しかない(第3回、ビーマイナカヤマ、メイショウモトナリ、キョウエイマーチが1~3着)。他の6回は地元高知か地方他地区馬が3着までのどこかに食い込んでいた。表にしてみるとこうだ。

第1回 1着リバーセキトバ  (高知)
第2回 3着メイショウタイカン(高知)
第4回 2着ナショナルスパイ (大井)
    3着レジェンドハンター(笠松)
第5回 3着ライジングハント (高知)
第6回 3着タッチダウンパス (兵庫)
第7回 3着ホクザンフィールド(兵庫)

 昨年までに三連単があればかなりの高配当だった例もあるだろう。例年にも増してJRA馬も強力だが、三連単の買い目の中にこういった地方馬を加えてみるのも一考か。そして地方他地区からの3頭はなかなかの実績の持ち主達だ。
あるいは黒船賞初の地方他地区馬優勝なるか、その実力を検証してみよう。

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ヨシノイチバンボシ(名古屋)

牡 鹿毛 4歳
調教師 錦 見  勇 夫
  父 トーヨーリファール
  母 スバルマドンナ
母の父 シエイデイハイツ

 シーキングザダイヤと同じく4歳馬。一昨年のG1・全日本2歳優駿で3着になるなど早くから素質の高さを見せてきた名古屋のホープだ。
これまでの重賞競走での主な成績がその能力を証明している。

03 全日本2歳優駿(G1)
3着(勝馬アドマイヤホープ)
04 中日スポーツ杯岐阜金賞
1着(2着タカラアジュディ)
   全日本サラブレッドC(G3)
2着(勝馬ディバインシルバー)
   兵庫ゴールドT(G3)
5着(勝馬シーキングザダイヤ)
05 マイル争覇
1着(2着キジョージャンボ)
   名古屋大賞典(G3)
6着(勝馬クーリンガー)

 実際に黒船賞と同じ1400m戦の全日本サラブレッドCで2着しているのが頼もしい。これまた1400mの兵庫ゴールドTでも5着ながら勝馬シーキングザダイヤとはコンマ4秒差。更に3着のノボトゥルーと4着のディバインシルバーとはコンマ3秒差だったから展開一つで、と思わせる要素は十分。1400mは合っているし先行集団で戦える脚質にも好感が持てる。

 (血統)
 父はNZT4歳S、平安S、マーチSのトーヨーリファール。後述するロッキーアピールや帝王賞馬ネームヴァリューらと同じインリアリティの血を引くマンノウォー系種牡馬である。以前にマークオブディスティンクション産駒(大井・青雲賞のバクシンマーチ、大井・青雲賞、東京3歳優駿牝馬のセイントサブリナ、全日本サラブレッドCG3のマジックリボン、荒尾・霧島賞のアイティースワロー、高知優駿のイージースマイル)が大活躍した時期があり、この父系は日本の地方競馬に良く合うようだ。
 母スバルマドンナはやはり名古屋でデビューしてJRA認定競走を勝ち、京都競馬場で500万下特別のかえで賞を優勝。更に東海クイーンCを制した活躍馬。フラストレート系の1分岐でこの一族からは東海菊花賞のマサデンセイが出ているから名古屋の誇る母系である。

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ツルマルザムライ(兵庫)

牡 鹿毛  9歳 
調教師 曾 和  直 榮
  父 アンバーシヤダイ
  母 ビクトリーダンス
母の父 ダンサーズイメージ

 JRAでは芝の短距離を中心に5勝をマークした古豪。栗東の橋口弘次郎厩舎で98年に現在の2歳でデビューし、折り返しの新馬を勝ちあがった。3歳時はわずか3戦(1勝)だが、アンバーシャダイ産駒らしく古馬になって徐々に力を付け、初重賞挑戦となった01年のシルクロードS(G3)で勝馬トロットスターにコンマ2秒差の3着となっている。
 03年7月に兵庫へ移籍。この03年はダートグレード競走での活躍が目立った年だ。以下そこからのグレードレースでの成績である。

03 サマーチャンピオン(G3)
3着(勝馬ロングカイソウ)
   さきたま杯(G3)
3着(勝馬ノボトゥルー)
   JBCスプリント(G1)
8着(勝馬サウスヴィグラス)
   全日本サラブレッドC(G3)
4着(勝馬レジェンドハンター)
   とちぎマロニエC(G3)
7着(勝馬ビワシンセイキ)
   兵庫ゴールドT(G3)
9着(勝馬スターリングローズ)
04 佐賀記念(G3)
12着(勝馬クーリンガー)
   兵庫ゴールドT(G3)
6着(勝馬シーキングザダイヤ)
05 黒船賞(G3)
?着

昨年の兵庫ゴールドトロフィーでは勝馬シーキングザダイヤとコンマ7秒差の6着。さすがに兵庫移籍当時ほどの馬力はないのかもしれないが、この内容なら衰え云々は早計か。ここ2年の黒船賞で連続3着になっている兵庫勢だけに馬場の相性などプラス材料も考えておきたい。  

 (血統)
 父アンバーシャダイはとにかく高齢まで活躍できる点が特徴、芝・ダート、距離を問わないオールマイティーぶりが頼もしい。
 母のビクトリーダンスはJRA新馬勝ち(通算1勝)。祖母のダイナビクトリアはオークス3着。5代母のオーシャンロアの兄弟にダンテ(英ダービー)、サヤジラオ(セントレジャー)、ハロウェーらがいる。

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ロッキーアピール(川崎)

牡 鹿毛 7歳
調教師 山 崎  尋 美
  父 Valid Appeal
  母 Dame’s Rocket
母の父 Timeless Native

 昨年のさきたま杯(G3)馬が登場だ。ロッキーアピールは00年JRAデビュー勝ち、2戦目には朝日杯3歳S(G1)に出走している(11着)。その後はダートを中心に準オープンまで4勝だが01ファルコンS(芝・G3)ではルスナイクリスティの2着。
他にも02年マリーンSでシンコウスプレンダの2着するなどOP級の能力を示していた。以下地方転入後の主な成績を記す。

03 北海道、川崎と移籍
川崎・古都OP、大井・勝島賞とオープン特別を連勝
04 報知グランプリカップ
2着(勝馬イシノファミリー)
   サンタアニタトロフィー
3着(勝馬トミケンマイルズ)
   さきたま杯(G3)
1着(2着ストロングブラッド)

 黒船賞は04年11月の京成盃グランドマイラーズ(6着)以来のレースとなるが、なにしろ昨年のさきたま杯では3着のノボトゥルーや、休み明けで6着というマイネルセレクトらを破っての金星。
南関東で図抜けた成績ではないのにあっさりとグレードレースを制する辺りが面白い個性派。今回も当然そういった意外性に期待。

 (血統)
 帝王賞馬ネームヴァリュー(父オナーアンドグローリー)と同じ異系のマンノウォー~インリアリティー系の父は米G2勝ち程度の実績。ただしこの異系の持つ活力こそが本馬の武器とも言える。先述のマークオブディスティンクションを始め、パーフライト、ウォーニング、アヌスミラビリスらが次々と夭逝。それでも今回の地方他地区馬3頭のうち2頭がこの系統と活躍馬が多いだけに、日本でも残って欲しい父系ではある。
 母の父タイムレスネイティヴはダマスカス系。すでにアメリカで実績がある母の祖父タイムレスモーメントもそうだが、短距離で一杯に粘りこむ競馬が実に得意な系統だ。

キャンペーンなど
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