今年の英国ダービーの勝ち馬ガリレオ。母は凱旋門賞馬のアーバンシー。父が欧州チャンピオンサイヤーで英国ダービーの勝利をついに掴むことになったサドラーズウェルズ。その直線でのフルギャロップのすさまじいまでの迫力。ドドッドドッなどという生易しいものではなくズドーンズドーンとエプソムダウンズのコースを破壊せんばかりのインパクトで駆け抜けていた。強い馬の強い競馬、そ
れがダービーにおける最も伝統的な醍醐味であろう。果たして高知優駿は今年も感動的な勝者を生むことができるのか。
高知優駿、ついに黒潮ダービーデイを迎える高知競馬第5回開催の後半2日間だ。木曜の夜から轟音と共に雨が降り注いだ馬場は、土曜日不良、その後は天候しだいで回復という感じだろうか。
初日の土曜日には建依別賞TR四万十特別。7月29日の横浪特別とダブルトライアルという形だが、四万十特別のほうがマイルで横浪特別が1400mという距離の違いがある。
さて注目は外枠に入ったジョイフライト。前走は全く行く気を見せずに連勝がストップした。今回距離短縮、馬場もスピードが優先となりそうでレースをしやすい枠ということもあって条件は揃った。
ただし前走の敗因が見えない疲労、精神面であればまだ不安要素もあって、このあたりに注意が必要となるだろう。
イブキブラックマンは決め手を見せ付けた前走の内容が圧巻。もちろん雨は歓迎というタイプ。リックファントム・マッケンリーダーらの先行力にカコイサンデー・ワカショウグンらの追い込み、忘れてはならないオオギリセイコーと役者は揃ったがさてさて。
9Rの七夕特別にはサラ系D級の好調馬が勢ぞろい。エイシン軍団の2頭エイシンデインヒルとエイシンカーリアンの連勝対決もあるが、1400m初体験など未知数も。ギャロップスキー以下骨のあるメンバーとの対戦で今後の力量も図れようというもの。
日曜日はあの東京盃G2の勝ち馬サカモトデュラブが登場。ただし久々でもあるしこの9RはA級3組のマイル戦。いきなりの勝ち負けまではどうだろう。
さあそしてメインの高知優駿だ。良馬場までの回復は難しいと見るが、それでも1900mの距離があるだけにスピードだけで押し切るのは至難の業、マルチラブリーの2冠制覇のためにはいかにして上がりの競馬に持ち込むかという展開面の工夫が必要になりそう。
徳留騎手は高知優駿とは抜群の相性だが・・・。
カチマサルにとっての救いは枠順だろう。例え馬場が湿っても、カチマサルの武器が加速がついてからの豪快な破壊力という事であれば自分の競馬に徹していくしかないのだ。他馬に影響を受けにくいこの枠順を生かしてきっちり各馬を捉え切れば、赤岡騎手にはイージースマイル以来2度目の高知優駿制覇が見えてくる。祖父2頭がセクレタリアトとミスターシービーという追い込み脚質の日米三冠馬配合。こういうタイプは負けても負けても上を目指せる強さを持っているように思う。
1400m・不良という黒潮皐月賞と道中のペースが違ってくる事で浮上してくる馬にも注意が必要だ。フレンチアスカのような前々で頑張れるタイプは南国優駿のデンセツノオトコを思い出すし、リキテイオーやリードチヤンピオンも新味が出そう。
未対戦の魅力ならレッドタンバリン。条件が最も揃ったのはクロシオタイガーだ。
さて新番組編成の方はかなりの平均配当を生んでいるようだ。これで雨によるスピード競馬という要素も加わってこの2日間はどんなレースが繰り広げられるのだろう。スリリングな展開も増える事だろう。年に一度のダービーはぜひライヴで!