高知競馬が「夏競馬」を迎える。前述したように新番組編成方式が正式にスタートし、前半3日間の後には本場の特別観覧席を無料開放してのナイター場外発売が始まり、高知競馬再建に向けての大きな「仕切りなおし」の第5回開催と言えるだろう。
筆者は「競馬はレジャーかギャンブルか」といった問いかけは無意味だと思っている。数世紀に渡って全世界の人々を魅了してきた「RACE」(サッカーのない国はあっても競馬のない国は珍しいほどだ)。そう「競馬は唯一無二の競馬たる存在」なのだ。イギリス的デモクラシーによって発展し、アメリカ・オーストラリア的に大衆化してきた競馬は他の公営競技と比することが不可能なバックグラウンドを有しているのだ。頑張ろう高知競馬!
初日にいきなりアラ系のA級戦「月見草特別」、1800m戦となる。注目の新星はトウショウベガ。前走はA2で11連勝中のロックグロリーと対戦。なんとハナを叩いて押さえ込むレースで快勝し目下の充実振りを見せ付けた。福山でも上級条件で戦った馬だけにここでも好走の可能性は大だ。スマノガッサン・アポロスイセイらが迎え撃つことになるが、距離を考えれば各馬の鞍上の駆け引きが面白い。スローの瞬発力勝負になるか、消耗戦となるか…。
最終のA2にはパワーレイクが登場。内容上向きだけにそろそろの感がある。次走のA級戦を見極めるためにもA1組と2組をセットで見ておくと何らかのヒントにつながるはず。
9Rはアラ系C級の「野いちご特別」。本格化で期待が集まるチャピーキングや前走トーエイキングオーとの追い比べを制したキノパートナーなど好調馬が揃った。各級の1組は基本的に連勝馬や好調馬が揃うと考えてもらえればいい。
8R(B3組)にはフトーイチヒメが復帰。骨っぽい相手にどこまでやれるか、何しろ瞬発力なら高知でも屈指の馬である。
2日目はアラブダービー南国優駿だ。現時点ではチュウオーランサーが回避してイクシードクインが繰り上がっている。TRなどが度々波乱となってきたように、この世代はまだ流動要素を残している。プレシャスボーイがマンペイ記念でチュウオーブラックの強襲に屈し、一方1600mになったとたんフィニッシュパワーがTRを圧勝してみせ存在感を増している。チュウオーパールは距離を逆に利用したレースが出来るか?トサノキュータは休み明けを叩いて前進は必至、更に「意外性の」デンセツノオトコがコワイ。キーワードを「決着」としてみたが、さあ今年のアラブダービー馬は?
3日目はメインにサラ系B級の「南風特別」。差し馬タイプが多く展開はスローとなりそう。先行するのはロングイマージュあたりか。先行勢が漁夫の利を得るか、あるいは射程圏内に全馬固まっての上がり勝負となるか。底力のマルカイッキュウに加え名うての末脚自慢が揃った面白いメンバーだ。
力量の均衡したメンバーが対戦することを目指しスタートする新番組編成方式。回を重ねるごとに各馬が己の力量に応じた格・組に納まって行くことだろう。まずは2つ下の拙文を読んでもらい基本的概念を捉えて頂きたい。