第4回開催前半を振り返ると、活躍馬にはあるキーワードが存在した。それは「調教時計」である。
前開催(第2回~3回)からのローテーションは約1ヶ月程度だからそれほど開いたわけでもないが、5月までの3開催消化を考えば少々エアポケットの様な間隔となった。さらに気温が上がってきて、上昇線を辿るか下降線を描くかの差が、各馬のコンディションの変化を生み出したのだろう。
各専門紙の調教欄に「軽め調整」という文字が並んだ前開催に比べ、各馬が調教時計を出しておりその比較が容易であったのも今回「調教」に注目すべきだった要因だ。
さて検証に入ろう。調教の評価については見方も多々あろうが、ここではデータとして挙げやすいように「馬なり、もしくは直線強め」で「3F40秒」程度の調教時計が出た馬を特注馬とし「A」グループに。「一杯」「43秒以上」のグループと能検受験馬をまとめて「B」に。そして間隔が開いたが時計を出さなかったグループを「C」としてみる。(条件が重複する馬は上位の評価とする)
なお調教データは高知競馬新聞協会各誌のものを参照した。
連対馬22頭の内それぞれのグループは
初日 A-12頭 B-4頭 C-6頭
2日目 A-14頭 B-5頭 C-3頭
3日目 A-14頭 B-4頭 C-4頭
どうだろうか、圧倒的にAグループが活躍した事がわかる数値となっている。間隔が開いたがゆえに中間の調整具合を時計で判断できる状況だったのだ。
逆にレースを使うことで調整してきた馬には辛い状況となったかもしれない。Cグループだが人気を背負った馬はさすがにそれでも良く頑張っていたが、例えば連勝が止まってしまったロックグロリーなどにはあまり良くない状況が重なっていたようだ。
Aグループで人気以上に頑張った馬も多い。フレンチヴォーグやナスノアルダンは移籍後初白星だし、サントクラウンもついに初勝利をマーク、ニッセイビジンやカイヨウワールドもしっかり1着入線を果たしている。ブルーシームが2着に追い込めば、連対までは出来なくともキタノダッシュ・コウエイケレス・テンリスカット等が3着に入ってあわや高配当の見せ場を作っている。
そして今開催中の出走馬の中でも破格の調教時計をマークしていたのがマイネルキャラバン。人気はもちろんだが桂浜盃では持ったままで好位を追走、楽々抜け出してみせての圧勝である。
後半の2日間もそうだが、開催が積んでいる時と開いている時では調教の見方を変えたほうがいい。筆者が最も評価したいのは「馬ナリ」で出た時計。それぞれの調教時計の評価方法を確立していけばレース予想のロジックもよりしっかりとしたものになるだろう。