第3回開催注目馬回顧

 高知競馬第3回開催の5日間が終了。次回まで3週間という日程が空くが、丁度気温があがってきたところでもあるし、競走馬にとってはしばしの休息、そして再調整への日々と言えるだろう。

 第3回開催を振り返って、注目各馬のレースを振り返る。

 初日(5月4日)はアラブ系のレース。7Rのチャピーキング(山岡恒一厩舎・4歳)が7連勝をマーク。差し馬の印象がいつのまにか先行できるようになったのは充実の証。夏場にはB級を伺う勢いだが、4歳らしい成長力でそこでも好走を見せられるか。

 キタイセリンボーを髣髴とさせる上がり馬がホマレエコウ(大関吉明厩舎・7歳)だ。厩舎・オーナー・騎手とスタッフも同じで名古屋からの移籍馬。6連勝の後B級4組のマイル戦で3着と敗れたが、今回のC級特別のマイルを快勝、サヤテンザンに雪辱を果たし再び2連勝としている。

 アラブ系A級のソフトウェア特別ではサウンドマスター(大関吉明厩舎・7歳)がスマノガッサンらを抑えて先着。どうも18~1900mが強いようで、高知で3度走った1400mは3着が一杯。
今回1600m戦は6戦目で初勝利、この辺りの距離適性は覚えておいて損は無い。

 2日目(5月5日)。4Rのハナサキボタン(雑賀正光厩舎・3歳)の強さが目立った。マンペイ記念の出走権利がないため一般D級2組に登場したが、スピードの絶対値が違う感じで快勝。順調に成長すれば先が楽しみだ。

 マンペイ記念は回顧をすでに記してあるのでそちらをごらん頂くとして、10Rの端午特別。アラ系B級の1300m戦。追い込み脚質ながらやはりスピードが違ったのがブラックハート(松木啓助厩舎・6歳)。3歳時にマンペイ記念を制しているように、マイル辺りで甘くなっていた決め手が最後まで生きる。スプリント戦の方が合っている様だ。

 3日目(5月6日)。1~2Rに登場した連勝馬が明暗を分ける。
1Rのトリビューン(雑賀正光厩舎・6歳)はぐずついた天候による馬場のせいか伸びを欠いて2連勝でストップ。大型馬(550キロ以上ある)のため今後も不器用な面を見せるだろうが素質は上々だ。勝ったイブキサイクル(松下博昭厩舎・6歳)は完璧なレース運び。これもまだ底を見せていない。
 
 2Rにはトサノビッグ(松木啓助厩舎・4歳)はしっかり3連勝に伸ばした。血統的にも軽い馬場は問題ないのだが、それよりも地力を感じる、下級条件の内は問題なく好走を続けるだろう。

 6Rでロイヤルエクシードを破ったのがカツゼアヒカル(川野勇馬厩舎・4歳牝)だ。非凡なスピードは認めるところだが、続けて使えた今回はその力を遺憾なく発揮できた。パワー・スピードを兼ね備えた牝馬として、この肌馬の代表格となる活躍を期待したい。

 8Rでマルカイッキュウ(松岡利男厩舎・10歳)が1年ぶりに近い勝ち星を挙げた。昨年12月から休養、今回は叩き2戦目だったが、やはりB級では力が違う感じだ。全盛期の力、それは高知競馬史上最強と言っても過言ではないものだった。そこまでの復活は期待できないだろうが、応援するファンは今でも多い。

 4日目(5月12日)。5Rの注目対決はギャロップスキー(曽我心一厩舎・5歳)が貫禄勝ち。アトン(土居高知厩舎・4歳)をマークしての差しきりだった。リードチヤンピオン(雑賀秀介厩舎・3歳)は後半伸びてはいたが、上位2頭とは力の差があったか。

 7Rのスルティールワン(別府真司厩舎・4歳)は順当勝ち。派手さはないがなかなかの実力派であって、B級でもやれそうなムードだ。バンブービギン産駒ならばまだまだ上積みも。

 9R、サラ系3歳の薫風特別はヒガシダンサー(雑賀正光厩舎)がスタート一閃、こうなると完全な逃げ馬ペースというレースで快勝した。ラランチャ(別府真司厩舎)とクロシオスバル(打越初男厩舎)の競り合いは最後は馬場適性でラランチャが先着。

 最終日(5月13日)。1~3Rをエイシン軍団(竹内昭利厩舎)が3連勝、すべての手綱を取った北野真弘騎手が通算1400勝を一気に達成した。特にエイシンカーリアン・デインヒルの2頭はJRA未勝利の後頭角を現したわけで、このパターンはノルディクダンサーやミストフェリーズのような大物も出る。5連勝からどこまで伸ばすか注目だ。

 連勝といえば5Rのダイタクライフ(炭田健二厩舎・4歳)も休み明けながらその数字を9に伸ばした。JRA9戦未勝利だが、高知では9戦9勝。セン馬であるところからもベリファの肌にクリミナルタイプという字面通りの気性難だったのだろう。しかしそれが競走面での長所に化ければ頼もしい。

 そして最後にサラ系A級の吉川村天然色劇場特別。ジョイフライト(雑賀秀介厩舎・4歳)の圧勝はある程度予測できても、目の前でまざまざとあれだけのパフォーマンスを見せ付けられるとさすがに驚く。マルカイッキュウ・リバーセキトバ・メイショウタイカンがバリバリの頃に比べれば確かに層が薄くなっている。そして現在の大将格であるウォーターダグにダイタクカミカゼも不在ではあったが、同厩舎のマッケンリーダーを可愛がりながら、持ったままの手応えで楽勝したのだからその実力は持って計るべしだ。まだ4歳馬だけにスターホース誕生への夢が広がる。ある意味高知競馬の人気を背負う飛翔のスタートだと考えてもいい。

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