高知競馬の平成13年度最終開催、第19回開催の後半が3月30日、31日の2日間で行われる。金曜日は終日雨といった天候で、まずは不良馬場で第1レースを迎えそうな気配だ。開催4日目に当たる30日土曜日は、アラ系の3歳戦が特別を含めて3鞍、サラ系のE級条件が4鞍、アラ系C級条件が2鞍に、B級条件が特別を含めて2鞍というレースの構成。11Rに106頭の出走で、どの条件も本格的な不良馬場は久しぶりになるため、思わぬ伏兵馬の台頭がありそうだ。
不良馬場の攻略方法をもう一度おさらいしておこう。基本的には良馬場に比べてスピード競馬になりやすい点がポイントとなる。湿った馬場が得意なタイプの馬を意識して成績をチェック。数走前に遡って、不良馬場で好走しているような馬は狙い目。着順が4~5着というような数字であっても、上位とのタイム差を詰めているようなら見逃す手は無い。
馬体重で言うと、430キロ以下といった小柄なタイプの台頭に注意。やはり良馬場だとパワーが必要になって素軽さが生かせない馬も、脚抜けが良くなれば走りっぷりが一変してくる。
血統で言えば、サラブレッドならレイズアネイティヴ・ミスタープロスペクター系やグレイソブリン系が鬼なので注目が必要。つまり軽快なスピードを生かせる血脈という事だ。アラブ系ならホマレブルショワ辺りに妙味があるか。
要するに普段はスピードとパワーのバランスがパワー寄りにシフトしているものが、スピードに傾くという解釈でいいと思う。重厚な追い込み馬よりは軽快な先行馬。着順よりは時計。スピードの絶対値をデータや記憶から類推すれば、少々展開に誤算があっても的中に繋がりやすくなる。
第7競走では、3月10日にチュウオーパールが勝ったレースで2~3着を分けたインディシュートとミシマダイドウの4歳馬2頭が再び対決する。
共に前々で競馬を見せて安定したレースを続けているが、今回はキフジンという強力先行馬と、現4歳世代のマンペイ記念馬であるチュウオーブラックが休み明けでの登場でメンバーに厚みを加えている。厳しい流れになった時にどの馬が抜け出すのか楽しみなレースだ。
第8レースは混戦模様。前走の時計が優秀なのはグレナクインやスマノシラユリといった辺りで、高崎の重賞・北関東アラブチャンピオン3着などの実績を持つ移籍馬アユタヤや、先行力で活路を見出すかレオセブンセブンなど役者が揃っている。
第9競走はアラ系3歳の花月特別(1300m)。好調テイケイミチカヒメが抜けてのレースにどの馬が浮上を見せるか。ホーエイミラクルは銀の鞍賞でヒダカシュウホウの3着した後、すべて特別戦を走って3・2・6・3着という、もう一押しの成績を残している。前走の弥生特別でも勝ち馬からは1秒2の差があって、もう一回りの成長が見せて春の重賞戦線に繋げたい。
前走3歳条件戦であっと言わせる好走を見せたタカサゴスター。初勝利をきっかけに飛躍する馬もいるだけにここも引き続き注目したい。高知ではお馴染みの血統で、ホーエイパレード産駒なら成長力を見せてもおかしくない。
ヒダカシュウホウの復調具合や、ハッピースカイ・ハニーセンプーらの伏兵陣も目が離せない1戦となりそうだ。
メインはアラ系B級の司牡丹特別(1300m)。もちろんスプリント戦となるところがポイントだろう。しかも馬場が湿るのであれば前走の同級・雛菊特別(1400m)とは様相が一変しそうだ。
チャピーキングがその前走・雛菊特別の勝ち馬。時計は良馬場では文句無しの1分33秒台であり、脚の使いどころに悩むのならいっそ先行策というのが見事に嵌まった。この内容を今回のレースにも持ち込みたい。
元A級のナスノセンプーが復調を見せての前走B級勝ち。特別のメンバーでも実績的に見劣りはしない。枠的にもペースを見ながら運べそうだ。
ホーエイキュート・ホマレエコウなど好位で運べそうな馬にも魅力がある。
移籍馬サンタホープは兵庫の実績が目を引くが、実戦が12月19日以来で緒戦からといけるかどうか不安が残る。
31日日曜日はアラ系の11Rに118頭と頭数が揃った。特にD級条件が充実した頭数で激戦が期待できそうだ。土曜日から天候は回復しそうなので、馬場状態は重・早ければ稍重からのスタートになりそうだ。乾いていく過程では前残りの展開から一転して差しが届き始めるので、馬場の回復具合を注意しておきたい。
第1競走には一般戦編入となった3歳馬・テイケイミチカヒメが登場。時計面での裏づけもあって人気を集めそうだ。すっかり力をつけてきて、今ではマンペイ記念に向けての本命馬でもある。
このレースで高知初戦を迎えるグリーンセンプーは高崎A級の勝ち馬。アラブスプリンターズ賞という特別戦の2着もあってスピードには自信が有りそうだ。実戦は12月4日の上山A級以来となるため、およそ4ヶ月ぶりだ。
第2競走には休み明け3戦目で、1開催間隔を開けたチュウオーランサーが登場。快速ぶりは印象に強いところであって、前走はリーダーにタイム差なしの2着。相手はフトーキサ・モナナセンプーらの混戦模様だ。
第6競走のD級はさすがの好メンバー。レガシークラウン・ダンリュウタロウの同厩2頭は前走で1分26秒台をマークしての1~2着。ここにD級の勝ち馬3頭、ポニータオー・ロイヤルオオシ・トチノリンボーが加わっての激戦だ。更にビークレバー・マキオカレン・アマゴトウザイらもタイム差がない存在で、デンセツノオトコも加わってかなり展開予想が必要とされそうだ。
第9競走はアラ系C級のやまもも特別(1400m)。前走の福寿草特別が厳しい流れとなって、直線の攻防で決着したレース。勝ったキノパートナーとタイム差なしでの2着だったのがブルーシーム。決め手争いなら実績も十分で再び浮上する。
コンマ2秒差の3着がビクトリアカゲオーで、なかなかレースのしやすい枠を引いたのは好材料だろう。
別路戦組ではジョージバルセが面白い。1開催休んでいるが、重くらいの馬場なら安定度が増すし実際近走は好内容を残している。フレッシュな状態で出てこれるようなら好勝負になりそう。センターバードにキャプテンユウも楽しみな存在で、早い時計にも対応できそうだ。
移籍馬のシューワファイターは金沢A級の勝ち鞍がある。12月24日以来のレースとなる。
前走のねこやなぎ特別がスマノガッサン-スマノタカラというスマノヒット産駒のワンツーフィニッシュになったアラ系A級は1400mの距離で行われる佐川町桜まつり特別。スマノガッサンが再びの快進撃に入れるか?
ノースガバナーは人気でよもやの5着敗退。好走が続いての疲労という事だったのだろうか立てなおしに期待。
チーチーキングが佐賀競馬場の西日本アラブ大賞典4着から戻ってのレース。
1400mの分だけ展開は厳しいかもしれないが、全国区に肉薄する力量を見せて欲しいところ。
面白いのは福山からの移籍馬ゴールドソアラー。能検ではサラブレッドも含めた一番時計をマーク。兵庫ではA3勝ち、福山ではB級の3着がある。馬場が合うようならホマレブルショワ産駒で1400m。好走がありそうだ。
なお坂本通調教師が平成13年度を持って勇退される。すでに管理馬が他厩舎へ多数移籍しているが、坂本通厩舎としての出走は30日土曜日の11R、
キノパートナーが最後となる。直前までの管理馬としては31日の第9Rに登場するブルーシームがいた。調教師として1973年以降に通算853勝。
見事な数字を残しての引退に敬意を表したい。