第14回開催前半ヘッドライン

~多頭数!激戦の第14回開催前半が15日にスタート!~ 

 高知競馬、師走の第14回開催がいよいよ15日からスタートする。筆者は先日JRA中山競馬場の各社放送席から検量室での取材まで見学させて頂いたが、何か気ぜわしい時節に加えJRAでは1シーズンを1月から12月までで区切っている事もあり、レース毎の展開も少しずつ早めの動きを見せる「年の瀬」の競馬が楽しめた。
 高知のこの時期の競馬はとにかく「高知県知事賞」、「南国王冠・高知市長賞」の2大グランプリレースに収斂されていくわけだが、年末年始独特の風情はダートグレードレースの黒船賞ともまた違う、高知競馬ファンならではの歳時記ともなっているだろう。

 さて師走の半ばからクリスマスに向けて始まる第14回開催だ。
前半3日間は12月15・16・17日。それぞれ11Rに109頭、120頭、115頭と各日レース平均10頭を越えるかという登録頭数は「師走競馬」ならではといったところ。激戦が増えるのはもちろんの事だ。たっぷりと楽しんで頂こう。

 初日(15日)から行こう。
第2競走(サラ系E級)には移籍馬テツノセンゴクオー(9歳牡・川野勇馬厩舎)が登場。東京記念・大井金杯と2つの南関東重賞勝ち鞍に加え98年のブリーダーズゴールドカップ(G2)で4着と2000m超級のレースで力を見せている。今年の11月まで新潟のA級で出走しており、そこで入着ならE級では人気となりそう。

 第7競走は木曜日時点でフルゲート揃うサラ系C級戦。なかなかの好メンバーで、エイシンデインヒルやリードチヤンピオンの新鋭に、好調スカイサロン、そして金沢の実績馬フジノジーニャスが3連勝を賭けての出走である。展開が激しくなりそうだが、多頭数だけに鞍上の捌きも期待したいところ。

 第8競走(サラ系A3)はエイシンガイモンが回避したものの、東京ダービー4着のこちらも注目馬ブルードラゴン(4歳牡・田中譲二厩舎)が登場する。好調ホーエイパーシャとは”南関東対決”となるが、直前の内容から少し時間をかけて見てみたい1頭である。

 高知県知事賞直前の対決となるサラ系A級の室戸特別(1600m)は10頭の予定。エイシンドーサン・マイネルキャラバン・マッケンリーダー・ウォーターダグ・ジョイフライトと知事賞でも上位人気となりそうなメンバーが勢ぞろいしている。完全に高知の水が合ったと見ていいエイシンドーサンは現在3連勝。ローギアのままでまくってくる脅威の末脚で、4連勝として年末の大一番に向かうか。ふわっと出して無理をさせなければ徐々にエンジンが掛かってくるという特性を活かした騎乗を見せる北野真弘騎手。2400はまだ未知数でもここはある程度計算が立つレースだ。マイネルキャラバンは前半ハイペースを希望か。マッケンリーダーは以前にもここで指摘したとおりペースというよりも「マークされ具合」で内容が変わってくる馬。ここもライジングハントやナムラプラズマ、同厩舎のジョイフライトの出方にも注目が集まる。

 なお出走してくれば知事賞へ向けても注目されたであろうタカノダイユウは11競走(A2)に登録があったが回避するようだ。

 2日目(16日)日曜日はフルゲートの予定が4鞍。
木曜日時点では第5競走(サラ系D級)から第7競走(サラ系C級)まで3鞍続けて12頭立てで、メインのアラブ系A級池川町緑と清流の町特別(1600m)もフルゲートの予定となっている。

 グランプリ南国王冠へ向けての前哨戦となるメイン競走は

スマノガッサン・ノースガバナー・
アポロスイセイ・アローパッション・
ベアーズキャロル・アポロファースト・
サンユウラピート・チーチーキング・
ブルックランズ・ホエールシャドウ・
デルタフォース・オンリーカード

の12頭の名前が並んでいる。何しろ本番の2400mが1マイル半だからペースはまるで違うだろうが、新顔もいる事で注意を払いたいポイントもある。南国王冠は瞬発力よりも長い脚を使えるかどうか、またスローペースでパニックにならないかどうかという資質が問題だ。過去に波乱を巻き起こしたバイタルサインやネオウインストーンがここに潜んでいないかを探っておくレースでもあるわけで、縁起の良い元旦の的中で向けてのヒントもお見逃し無く。
 さてマイル戦であるからにして、ここ4連勝のうち2度が1600mだったスマノガッサンが中心視されるのは当然だろう。格段に末脚の安定感が増している。デルタフォースやチーチーキングの追い込みとは違い、マイル位の流れで瞬発力を見せるタイプだ。先行するアポロスイセイは断然のスピードを活かせるか。スマノガッサンの瞬発力に対して上がりだけの勝負は厳しいかもしれない。一方追い込み勢は前々で遣り合ってくれるのが望みだろう。マイル戦におけるスマノガッサンはそれだけ強力なのだ。2戦目のノースガバナーとアローパッションの変わり身はどうか。南国王冠での伏兵になりうる実績だけにここも見逃せない。

 第11競走はアラ系A2のマイル戦。ここに移籍緒戦のダスティー(5歳牡・松岡利男厩舎)とマツノホープ(6歳牡・山岡恒一厩舎)が登場する。岩手・名古屋・金沢でそれぞれトップクラスのレースを勝っているダスティーも、東北アラブ3歳チャンピオンを勝ち、昨年の福山菊花賞(2250m)で2着しているマツノホープも、当然虎視眈々と大一番を狙う事になるだろう。

 3日目(17日)は全国の実況アナウンサーが集っての「実況アナウンサー”ミニ”フェスティバル」として、各レース毎に個性的な実況をお楽しみ頂く。頭数はこの日も多く、高知競馬場の魅力をまた全国へ向けて発信する日となることだろう。

 第1競走のサラ系3歳戦には能検で好内容を見せた移籍馬2頭が登場する。ソーキーン(牝・炭田健二厩舎)は船橋でデビュー勝ちをしている馬。6日の能検は手応えを残したまま1着入線。412キロと小柄で仕上がりは早そう。ハトシェプス(雑賀正光厩舎)はオグリキャップの牝駒で能検は2着に追い込んだ。北海道の認定競走で2着があるものの未勝利で移籍してきている。

 メインのサラ系B級嶺北特別はお馴染みのメンバー。前走が1800m戦だっただけに1300mのスプリント戦というところがポイント。果たしてグリーンヘラクレスは2着続きの鬱憤を晴らせるか?カコイサンデー・リバーセキトバも好調だが、テセウスクラージュが上積みという面で台頭してくる可能性も。

 とにかく頭数が多いことで活力のある激戦が楽しめる事は必至。
最終日には実況アナウンサーの競演も楽しめる高知競馬第14回開催の前半3日間。ぜひ多角的な楽しみ方で堪能されたい。

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