高知競馬第11回開催の能力検査3Rが10月11日に行われ、サラブレッド系17頭(うち2歳3頭)、アラブ系4頭(うち2歳1頭)の計21頭が合格した。そのうち移籍馬は13頭、デビュー新馬は3頭、長期休養明けが2頭という内訳である。
今回も能検合格馬の中から注目の馬をピックアップしてみよう。
サラ系の2歳では今年5月に行われたひだかトレーニングセールの購買馬、マルチダイヤ(牝・松木啓助厩舎、父ナグルスキー、母ジョウシュウダイヤ)が合格。トレーニングセールでは58キロの騎乗者で5月8日1F(200m)を12秒2。5月15日には2F24秒4、1F11秒4という時計をマークしており、910万円で千頭喜代子オーナーに競り落とされている。
セール時から馬体重が518キロと大柄で、今回は516キロとの事。その能検は結果4頭立ての3着だが、トモのつくりは立派の一言で、距離が伸びての走りが楽しみだ。
祖母タケノダイヤがJRAエリザベス女王杯の2着馬。本馬の姉には高知競馬でも走ったダイヤキャップ、兄にはJRA4勝のサンライズダイヤ、いとこにヒシマジェスティと活力も十分。父ナグルスキーとくれば産駒にはダートの鬼・ナリタハヤブサとホクトベガ。牝馬の大型馬とくればもちろんイメージは目指せホクトベガというところだろう。
千頭オーナーは「生え抜きの馬が活躍する事で、地元高知競馬の活性化につながればと思っています」と語っている。
サラ系の2歳では北海道の未勝利からクスノウイリーとドリームランド(共に牝馬で雑賀正光厩舎)も合格。クスノウイリーは先行してみせての1着入線。東海菊花賞馬ホウエイコスモスの姪っ子でアルカング産駒。重馬場だが800mを52秒5ならまずまずだ。
アラ系の2歳ではホーエイミラクル(牝・田中譲二厩舎)が合格している。しまい伸びてクスノウイリーに4分の3馬身差2着で入線。デビュー戦から注目となりそうだ。
続いては2Rの混合3歳・一般に登場したメンバー。
金沢のトップホースとして活躍したフジノジーニャス(7歳牡・曽我心一厩舎)はJRA1勝後、金沢に移籍してサラブレッド大賞典、あすなろ賞などの重賞を制覇。名古屋大賞典6着など、なかなかの実績を残している。能検は付いて回っただけの内容で4着入線だし、若干馬体が寂しい感もあるが、D級条件での再スタートならいきなりでも人気になりそう。この馬、実は曾祖母が名牝サンサンであり、ウインザーノットやサンゼウス、ネイティヴハートらが近親となる。
笠松B級勝ちのルイボスオーク(牡・平和人厩舎)もD級格付け。元々船橋で認定を勝っており、JRAの特指にも登場してJRA500万下の芝1200m戦で4着という成績も残している。
アラブ系のキジョーコマチ(牝・甲田守厩舎)が2Rでサラ系の6頭を抑えて1着入線。1300mを1分28秒9だから驚く程の時計ではないが、名古屋A級を勝っていて高知ではD級条件に転入ならばここを叩いての初戦が楽しみだ。
サラ系3歳の2頭はJRA未勝利のトウヨウエブロス(牡・炭田健二厩舎)と未出走のデジタリズム(牡・雑賀正光厩舎)。能検ではトウヨウエブロスがいい手応えを見せている。
セイレン(牡・雑賀正光厩舎)はJRAのダート2勝馬。ヤエノムテキ産駒の大型馬で北海道での3戦は不振だったが、高知では最下級のE級格付け。いとこにタイキブリザードやシアトリカルがいる。
キジョーコダマ(牡・宮路洋一厩舎)はちょっとしたトピックスになりそうな馬。平成9年の旧4歳時に名古屋でデビュー。B級までの勝ち鞍を収めたところまではともかく、平成11年の4月19日に競走除外となったレース以来なんと2年半振りの実戦復帰である。単なる休養ではなくて、いったんは競走馬としての登録を抹消、再登録しての復帰という点が珍しい。
3RはA級格付けも含む混合一般馬。
ここでも1着入線はアラブ系のサンユウラピート(牡・別府真司厩舎)。兵庫8勝をマークしており、S1での2着という上級クラスでの好走もしている。高知でもA級格付け。
同じく兵庫で7勝という成績を残しているのがフクノヒット(牡・雑賀正光厩舎)。遅咲きタイプで初勝利まで15戦かかったが、A3までの勝ち鞍がある。高知ではB級の格付けスタート。
サラ系D級格付けの3頭を並べて紹介しておこう。
サダムトップワン (牡・田中譲二厩舎)
笠松デビュー、C1勝ち。金沢B級2着まで、岩手ではC2まで勝って、C1を2着。ランズダーン産駒。能検5着。
ミスターサクセス (牡・山岡恒一厩舎)
JRA1200m芝で1勝。新潟A2で2着、A1で3着がある。
岩手のC級では移籍後6連勝をマーク。浦和C2勝ち、上山ではB級で5着まで。スキャン産駒。能検3着。
リアルメリー (牝・甲田守厩舎)
佐賀デビュー。27戦目(!)にC2で初勝利。C1では2着まで。
リアルシャダイ産駒。能検6着。
長休明けの2頭はダイタクカミカゼとテセウスクラージュ。知事賞2連覇を狙って始動のダイタクカミカゼは先行していって、まずまずの2着入線。一方テセウスクラージュはちょっと追走に苦労する感じで7着。格付けはダイタクカミカゼが変わらずA級、テセウスクラージュはB級となる。