高知競馬、第11回開催は後半の3日間を迎える。
サラブレッド系の2歳戦、アラ系A級のラヴラヴアラブ特別、そしてアラ系3歳三冠最終戦である荒鷲賞にJRA条件交流の黒潮盃と注目レースが目白押しとなった。少々雲が出てきた高知県地方だが少しでも良い条件レースを迎えられるよう願いたい。
27日(土)はまずサラブレッド系の2歳戦から。
1Rには話題の新馬マルチダイヤ(牝・松木啓助厩舎)が登場。
今年5月のひだかトレーニングセール出身で500キロを越える馬体のナグルスキー産駒といえばダートの女王・ホクトベガを彷彿とさせる。いきなり既出走馬が相手となるデビュー戦。能力検査ではニジンスキー系らしい硬さも見せただけに800mは決して適距離ではないだろうが、ここは能力値でなんとか。実際にセールの際には1F11秒台の時計も計測している。今後はリンデンスワローらとのライバル対決が期待される。
2Rは前走好スタートから父サニーブライアンばりの逃げ切りを見せたチーチージョーが、デビュー3連勝のリンデンスワローやマツノオトヒメとの対決に挑む。時計的には見劣りなく上位争いまで見られそうだ。迎え討つリンデンスワローは少し厳しい競馬も経験しておきたいところで、流れが速くなっての決め手はいかに…。
5Rはサラ系のD級戦。前走で非常に良い内容を見せた2頭が内枠に並んでいる。良馬場・外枠から豪快に伸びたトリビューンと、サカモトデュラブを差しきる金星だったキンキクモタカである。ある意味でこの2頭の取捨が回収率の向上につながりそうだ。なんと前走が初勝利だったナリタセイリュウも含め3頭が連勝を賭けて臨むのだが、はてさて。
6Rは移籍2戦目のサンライトスキーが注目となりそう。勝ち馬とコンマ1秒差の2着に終わった緒戦だが、決め手はやはり鋭い。
どうししても高知競馬でのニジンスキー系は追い込みタイプになってしまうのだが、ここまでの馬場状態を睨みつつの予想を。
メインのオパール特別はアラ系B級の1300m戦。
快速キタノダッシュがこの枠と距離なら一気の逃げ切りを狙うだろう。外枠で条件揃ったブルーポジション、実績のウェストウインや移籍2戦目のホーエイヒリュウ、ミエドルマンなど相手には惑星が揃った。
28日(日)はアラ系古馬のオールスターが揃ったラヴラヴアラブ特別(1800m)とアラ系3歳重賞の荒鷲賞。
ラヴラヴアラブ特別は豪華メンバーの中距離戦で、メリハリのあるレースが出来ればという注文がつくものの強力な差し脚を見せるスマノガッサン、そしてマイペースなら千八は十分我慢できるアポロスイセイの2頭に、チーチーキング・デルタフォースの追い込み馬、前走好内容のベアーズキャロルに復活かけるパワーレイクらが登録している。距離伸長による展開の変化があるかどうか。
そして荒鷲賞。メンバーが8頭と少し寂しくなったが、いよいよ三冠最終戦を迎えることになる。
プレシャスボーイは全日本アラブグランプリを先に睨み、当然ここを勝って…という青写真だがここ2戦の内容が良くない。特に前走はC級一般戦でラショナボーイから1秒1差の6着とは少々拍子抜けだった。ただしマンペイ記念でチュウオーブラックの強襲に屈しているように、現状では短距離より中距離以上の方が戦いやすいのかもしれない。花本騎手とスタッフが工夫をしながら歩んできたここまでの総決算を見せて欲しいところである。
さてハナサキボタン。夏場の成長もあり、もはや穴馬の一頭とは言えない存在感を見せるようになった。C級特別を含めて3連勝中であり、控えての競馬も披露。8頭立ての8枠とはまた恵まれた感があり、緒方洋介騎手が重賞初制覇に挑む。
トサノキュータがTRを圧勝してここへ駒を進めた。距離経験もあり単穴評価以上は間違いないだろう。ミシマダイドウも前走の快勝でいいムードだが、はたして上位にどこまで食らいつけるか。
29日(月)はJRA条件交流もあって頭数が揃う。JRA遠征馬6頭を含めて11Rに109頭の登録だ。
その黒潮盃(高知所属馬B級選定・JRA500万下、1400m)
JRAからの遠征メンバーを紹介しておこう。
オースミツヨシ
牡4 安藤正敏厩舎 中越豊光
父タヤスツヨシ 母ハヤティースター
14D(京都)、18D(笠松交流) 2勝
タマモチーフ
牡5 佐藤正雄厩舎 松本達也
父コマンダーインチーフ 母タマモルビー
兄タマモルビーキング
12D(京都)、14D(名古屋交流)2勝
ディープインサイド
牡3 領家政蔵厩舎 武幸四郎
父ナリタブライアン 母マックスフリート
兄ミラクルオペラ(マーキュリーカップG3他)
14芝(阪神)、黄菊賞2着(18芝・京都)1勝
フサイチアリアン
牡6 加用正厩舎 福永祐一
父ダンシングブレーヴ 母プロパーエヴィデンス
20芝(福島)、17D(中京) 2勝
ブラックヒーロー
牡3 福島信晴厩舎 宝来城多郎
父ダンスインザダーク 母フレンチハッピー
兄フレンチフィールド
14D(金沢交流) 1勝
ルドルフロード
牡3 加用正厩舎 渡辺薫彦
父シンボリルドルフ 母マルブツアイリス
14D(笠松交流) 1勝
高知競馬所属馬は
カコイサンデー・ドラゴンジェイ・リバーセキトバ・ホクセツランナー・エイシンキンボール・タカノダイユウ という説明不用のメンバー。
兵庫の西川進也騎手を背に1400mの厳しい流れで好位を立ち回ったタカノダイユウの成長度に注目したい。ドラゴンジェイやリバーセキトバはダートグレードでも実績がある。もっとも1998年辺りの話だが…。
JRAでは連闘でもやはりディープインサイドに注目したい。
ミラクルオペラの半弟で前走でダートにも目処がついたところである。