第10回開催前半ヘッドライン

 三週間ぶりに高知競馬場本場の開催がやってくる。秋競馬本番へと突入する第10回開催のスタートだ。天高く馬肥ゆる秋、各馬の成長や体調の変化を見逃さないように”生”の競馬の迫力を楽しんでいただきたい。                      

 今開催でもっとも注意しなければならないのは「格付け」。過去2年の賞金額に、その賞金を獲得した地域ごとの率(JRAなら30パーセントなど)を掛けて算出される「格付け賞金」の減額がこの9回開催後に行われている。この減額によって格が下がる事はあっても、減額によって上がる事はない(当然だが)。各馬の前走の格付けには十分気をつけて予想されたい。
 ただし、もう一方の格の中の組を決める「編成賞金」は持ったまま下がるため大きな変動は考えにくい。(ただし9回開催の獲得賞金によって昇格している場合は上位の格で編成賞金ゼロからスタートとなるが)いずれにせよ、減額によって格付けが変動している事を把握しておく必要があるだろう。
 
 まず10月7日(日)8日(祝)の2日間で前半の2日間。  
7日は珊瑚冠賞TR足摺特別を含む11Rに金曜日時点で113頭が登録。間隔が開いたせいか頭数は10頭平均とまずまず揃っている。また8Rの本馬場入場後に、先日調教師試験に合格した田中守元騎手の引退式も予定されている。

 第9競走には、全国競馬同人誌会の協賛がついたサラ系D級条件の競馬維新特別(1600m)戦が登場する。         
 注目は元中津の重賞勝ち馬オーバーラップ。ここ2戦は前残りの展開に苦しんだが、それでも2~3着に食い込んで地力を見せている。良馬場・マイル戦なら当然前進があるとみていいだろう。
 エイシンユーダイ・ホンキノワタシは前走がC級選定の新人王争覇戦。ナスノアルダンはE級~D級を6連勝中、川崎ではB級勝ちもあった実績馬。上向きな感のあるワイルドバーリーにも注意が必要か。

 そして11月4日に行われる重賞競走・珊瑚冠賞へ向けてのトライアル足摺特別だが、1800mの距離にジョイフライト・マッケンリーダー・ライジングハント・イブキブラックマン・マイネルキャラバン・オースミレパード・オオギリセイコー・デュークウェイン・サダムリュウ・エイシンジョンデーといったメンバーが登録している。
 ジョイフライトにとって1800m戦は過去2戦して16着(JRA中京)と4着(高知A級特別)であり、名古屋では1600までしか経験がないこともあってまだ実績がない。本番の珊瑚冠賞では1900m、年末のグランプリ高知県知事賞では2400mという長丁場をこなさなければならない事を考えれば、今回の足摺特別は試金石となろう。あまり溜めが効くタイプではないように感じるだけに、決して長距離得意ではないだろう。後は単純に力関係という考え方だ。
 さてマイネルキャラバンのオープンクラスへの登場はこれが初めてとなる。ただし前走などは同じマイルの不良馬場においてA級特別戦より速い時計で勝っており、そこを取り上げれば十分に通用する事になろう。時計では測れぬ見えない壁を突き破れるか?
 また珊瑚冠賞への注目馬という観点で言えば、11RのA2に登場するナムラプラズマも挙げておこう。笠松で重賞の2着の実績を持ち、能検が圧巻の内容。レース振りを見ておきたい。
 
 8日(祝月)は金沢のG3・白山大賞典のサイマル発売を含めて11R。高知競馬での10Rには103頭がスタンバイしてこちらも10頭平均と頭数は揃っている。

 8Rの神無月特別はサラ系の3歳戦。レースセンスの良さと旺盛な競走意欲を見せるエイシンプサンが5連勝を狙う。高知移籍後初の1400m戦、そしてここまでの4戦すべてが重・不良馬場だった点に不安は残るが、黒潮皐月賞2着の実績を持つリニアキングらを向こうに回しても力量的には見劣らない。
 
 白山大賞典G3には高知競馬からの参戦はないものの、高知でもお馴染みの西森鶴氏がこだわり続けた肌馬マックスフリートからついに出た活躍馬、ミラクルオペラ(栗東・領家政蔵厩舎)が出走してくる。ティーレックスやホホエミガエシらの兄弟馬も高知競馬ではお馴染みだが、高知在住の西森オーナーにとってはついにG1制覇(もちろんJBCクラシック)をも視野に入れたこの秋のミラクルオペラのキャンペーンがスタートすることになる。
 ミラクルオペラは昨年の旧4歳夏に初勝利を挙げた遅咲きタイプ。
年内に計3勝して2001年を迎えると5月に準オープンの上賀茂Sを勝ち、初の重賞挑戦となった東海SG2でハギノハイグレイドの2着。灘S優勝を挟んで、盛岡のマーキュリーカップG3でついに初重賞制覇を飾っている。
 今秋のローテーションは早くから白山大賞典での始動を明言しており、JBCクラシックG1で頂点を目指す事になる。
 母マックスフリートが女傑と呼ばれる地方競馬の名馬だった背景からも、高知競馬に多数の馬を持つ地元在住のオーナーが送り出す活躍馬という点からも、大きなエールを送りたい存在だ。

 なお白山大賞典、現時点での出走予定馬は、
JRA
スナークレイアース・スマートボーイ
タマモストロング・ミラクルオペラ
地方他地区
エビスヤマト・デルマキングオー・シュウタイセイ
ゴールドプルーフ
金沢
リードジャイアンツ・ボナンザーローマン
ケイアイジョン・シズノサンデー

となっている。

 白山大賞典のサイマル発売の後に高知競馬のメイン競走、安芸市童謡の里特別(サラ系C級、1600m)が行われる。
 全日本新人王争覇戦競走組が5頭。C級2連勝中のゼンノコモク、前走B級の特別戦を勝ったアクアダンサー、実績光るノルディクダンサーらが出走予定で、なかなかの好メンバーと言えよう。

 繰り返しとなるが、今開催のポイントは「格付け賞金の減額」だ。
各馬の格付けの動向などに十分気をつけての予想が高配当への道となるだろう。そのためにももう一度、格付け賞金と編成賞金について記しておく。

格付け賞金
(A・B・C・D・E の格付けを決めるための賞金)
その馬が過去2年間に獲得した賞金、他地区については規定の乗率によって算出する。

編成賞金
格付けの中の組を決める賞金。その格において獲得した賞金のみを加算していく。昇格の場合は上位の格でゼロからスタート、降格の場合は上位の格での編成賞金を持ったままとなる。

キャンペーンなど
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