高知競馬のサラブレッド2歳に新星が登場した。
ようやくスタートした2歳戦でデビュー2連勝、勝ち時計はいずれも軽い馬場ではあるが、出遅れた初戦が50秒7(ハロン12秒6)、2戦目が50秒2(同12秒5)と優秀。特にデビュー戦は北海道からの既出走移籍馬が相手となったにも関わらず、出遅れながらの圧勝である。
その馬の名はリンデンスワロー。雑賀秀介厩舎、大束賢次オーナー、北野真弘騎手といえばそう、オオギリセイコーと同じスタッフである。そのオオギリセイコーは800m戦で49秒台、1000
m戦で1分2秒台を連発しているため、まだ簡単にどれくらいやれるかは予断を許さない。しかし490キロ台にしてはスッキリ見せる馬体、競走意欲といったところではよりいいセンスを感じさせて
くれる。狙うはオオギリセイコーの兵庫ジュニアカップ4着を越える成績となってくるだろう。
さてこのリンデンスワロー、血統表から読み取れる「ポイント」がある。それは馬名からも伺えるある配合のパターンだ。
まずは血統表をごらん頂こう。
リンデンスワロー
1999 牡 鹿 雑賀秀介厩舎
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Raise a Native NativeDancer
Mr.Prospector Raise You
1970 鹿 Gold Digger Nashua
スキャン Sequence
1988 鹿 Nijinsky Northern Dancer
Video Flaming Page
1983 鹿 Foreseer Round Table
Regal Gream
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Crepello Donatello
リンデントリー Crepescule
1968 栗 Verbena ヴィミー
タケリンデン Val d’Assa
1979 栗 コダマ ブッフラー
タケコダマ シラオキ
1965 栗 ミスチェスター ハロウェー
スズマサ
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FNo.4 生産者 新冠・平山牧場
ある配合のパターンとはスキャンという種牡馬から出る活躍馬の黄金律とでも言ったらいいだろうか、スキャンはカーリアンの全妹とアメリカの大種牡馬ミスタープロスペクターの間に生まれた良血
だが、これが不思議と日本のダートグレードでの活躍馬に一定の法則があるのだ。
スキャンのダートグレード活躍馬といえば、
テイエムメガトン(ダービーグランプリG1)
マチカネワラウカド(東海菊花賞G2ほか)
タマモストロング(マーチS、さくらんぼ記念ほか)
というところが挙がってくるが、これらは全て母系にアメリカ血統ではなくヨーロッパ系の、それもブレニムやハンプトン系列の重厚な種牡馬名が並んでいる。例えばテイエムメガトンは母父から順に
シーホーク・ネヴァービート・ライジングフレーム・トサミドリ。マチカネワラウカドはセントクレスピン・ポールモール・ワーデンという渋いラインナップ。タマモストロングはハイセイコー・イエ
ラパ・ゲイタイム・ハロウェーという具合だ。
リンデンスワローはというと母父がブレニム系クレペロとヴィミーの配合であるリンデントリー。さらにコダマ・ハロウェーと代々St.Simon系やFairway系を重ねてある。若干母親が
高齢であったことと、他の活躍馬と違ってハイペリオン系が無い部分が気になるものの、ともすれば仕上がり早で終わってしまいそうなスキャン産駒にあっては「この配合」で800m戦を2連勝した
事がとても大きな意味を持ってくる。
さてさて、高知競馬から大物登場なるか?
リンデンスワローの今後の状況については、このゴールポスト通信で逐一報告していこうと思っている。