7月1日に行われたアラブダービー第29回南国優駿はマンペイ記念で2着に惜敗したプレシャスボーイが快勝、銀の鞍賞に続き重賞2勝目をマークした。
この日の花本正三騎手は専門誌のコメントで「勝たなければならない」と必勝宣言。ポイントは瀬戸内賞遠征がどうでるかという一点だったと思うが、明らかに馬の成長を促す「吉」と出たのではないか?その瀬戸内賞で外したブリンカーは今回も装着せず、他馬からの影響を受けにくい外枠、更に好スタートで戴冠目指して万全のレースを進めていった。おそらく当初からの作戦だったのだろう、
緩いペースを好位で追走すると残り1000mからはいつでも行こうという態勢。800mの標識を待たずしてのロングスパートには勇気が必要だが、馬を信頼し、そしてその信頼に応えたプレシャスボーイも最後までしっかりとした足取りでゴールを駆け抜け見事なダービー制覇である。
さてチュウオーブラックはというと、これまで経験したレースの流れとの違いが若干影響したか、プレシャスボーイのロングスパートに対して結局勝負圏内へ詰め寄ることもできなかった。しかしこの馬の場合はまだ成長途上と考えたほうがいいだろう。最後は良く伸びてきているだけに秋の再対決を待ちたい。
デンセツノオトコを「コワい」と思っていたらあわやの3着。展開が向いた部分も否めないが、それにしても今後の成長が楽しみになってきた。
トサノキュータは休み明け叩き2走目でこのレースを4着。地力は見せた格好だ。ユタカタカナスは9番人気で5着。末脚に自信をつけたのではないだろうか。チュウオーパールは先手も奪えないレースでは11着もいたし方ないか。まだ距離適正云々を言うには早いと思う。巻き返しを期待したい。
ようやくプレシャスボーイが「たられば」のないレースを見せてくれた。果たして秋に荒鷲賞から全日本アラブグランプリ、そして南国王冠という王道を進んでいけるか、それとも他馬がそこに割って入るのか? 各馬の夏の成長ぶりをチェックしていこう。