雨が降り続いて、どうやら馬場状態は湿ったままで迎えそうな後半2日間。前半に続いて出走頭数も多く(111・112頭)更に重賞競走、黒潮スプリンターズカップも控えて熱戦が期待できそうだ。
土曜日の第1Rには注目の3歳馬リードチヤンピオンが登場。2000年プレミアトレードセール(ついに日本でも本格的に始まった現役馬のセリ)で600万円を越える最高価格で落札された本馬は、北海道の認定競走の勝ち馬。500キロ超の馬体にしなやかな動きで将来性を嘱望されている。オオギリセイコーと同じスタッフが担当して高知競馬での緒戦を中団から差し切り勝ち。2戦目となるレースでも勝ち負けはもちろんその内容が注目されるだろう。
黒潮スプリンターズカップは今回「黒船賞TR」との明記はなく、筆者が以前にこのコラムで書いた「トライアルの意義」の中でTRとしたのは誤りである。しかし依然として黒船賞の地元代表馬選考に関して明確な尺度を必要とするのは明らかであり、その中で重要な役割を果たす事を期待する。
その黒潮スプリンターズカップ。エイシングランツが無念の回避となったものの、黒潮マイルチャンピオンシップの上位馬や昨年の建依別賞・トレノ賞の勝ち馬も揃って層の厚いメンバーとなった。特に注目すべきはマチカネホシマツリの復調具合。馬運車で入れ込みを見せたという笠松遠征後に距離不向きで力の発揮しようもなかった前走。黒船賞へ向けては正念場となるが潜在能力を考えれば何とか格好つけてほしい所だ。ダイタクカミカゼ・ウォーターダグの高知県知事賞上位陣もそうだが長距離戦の反動はぜひチェックしたい項目。斤量は気にしないタイプだが59キロには驚くオオギリセイコー。メイショウタイカン・リバーセキトバの古豪は展開向けばいつでも好走の可能性があり、あとは最もフレッシュな状態で望めるデュークウェインに注意が必要か。
2日目7Rのキングポローニアは能検好内容。格付けは上々だし雨馬場でキンググローリアス産駒と条件も揃った。もっとも前半推奨した新馬はやはり初戦からは動けずといった内容だっただけに、馬の状態はしっかりチェックが必要だ。5Rのリードブルームーンは10着→1着という極端な成績を3度記録している穴馬。気性面の問題なのか、それともトラックバイアス(馬場の有利不利)なのか詳しくは実際の走りを見てからの判断となる。
高知競馬場内実況 橋口浩二