ロードトゥグレードレース Vol.3

 強い馬作りへの問題点

 まずは”強い馬作り”を行うための問題点を挙げていこう。
逆説的にJRA栗東トレーニングセンターで培われてきたやり方と比較する方法もあるのだが、条件が違いすぎるからと読んでもらえなくなるのは心外。そちらは個別の方法論の中で紹介する事にして今回はすっきりと問題点だけを挙げていく。

[1]アスリートたる体力作りの欠如
 これはなにぶんにも1頭あたりに掛けられる手間(時間)の問題が大で、曳き運動・乗り運動の絶対的な不足が原因となる。極端な言い方をすれば一日30分しか運動をしない人間はスポーツ選手ではないだろう。さっと馬房から出てさっとダク・キャンターを流して一気に時計を出す。アップもクーリングダウンもそこそこで今日の調教終了。

 更に脚部不安がある馬の場合は運動量も低下する上、体重増加を防ぐため飼葉の量を減らされカルシウム・たんぱく質・ビタミン類の不足で更に別の故障を発症する可能性がある。気性面に問題がある馬にも飼葉を減らすような例があるが(さすがに最近は減っただろうが)、このような状況をアスリート作りと呼べるだろうか。

[2]賞金分配意識

 元々は原始共産主義のような意識に根ざした集団行動心理から発生しているのだろう。総体的な賞金や手当ての低下の折、決して経済的な部分に横槍を入れる気は無いが、ただしファンの支持なくして競馬事業が存続できない状況を考えれば、優勝劣敗の原則を維持し勝つことに対する執念を見せるべきであろう。
  
[3]旧態依然
 進取の精神が欠如する傾向には当然問題が存在する。もはや国内の育成牧場や各種トレセンでは英・愛の調教技術や米の合理化技術・栄養学、さらには馴致技術の先端を採用しているが、中小規模の地方競馬場では一部の者がこれを取り入れると周囲が冷ややかに見るという常識が存在する。

 黒船賞の黒船とは強豪として仕上がった競走馬だけを指すものではない。その馬を作り上げたスタッフの”目に見えにくい”力量をも指しているのだ。

[4]ローテーション
 これは主催者の番組編成とも連動しなければならない事柄だが、2歳馬が古馬との対決を強いられる・短距離偏重のため中長距離戦への対応が難しいなどの複数の問題が存在する。下級条件でもオープンクラスでも、各陣営が適距離を選択できるのが理想だが全ては無理でも少しでも”選べる”範囲が広がる事が望まれる。

[5]交流への積極性
 平成7年のいわゆる交流元年時の状況からすると随分交流競走への参戦は積極的となり、ダートグレードへの遠征でもマルカイッキュウの白山大賞典2着、ミストフェリーズがマーキュリーカップ3着、オオギリセイコー・チーチーキングなどの生え抜きも結果を出し始めている。今後も適鞍があれば主催者との共同戦線を張って豊富なチャンスを生かして欲しい。

 一方で前述した調教技術取得などに向けての人的交流も今後は不可欠となるだろう。

 さて、ロードトゥグレードレース。Vol.4以降においては個々の問題について掘り下げていくことにしよう。

高知競馬場内実況 橋口浩二

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