トライアルの意義

 高知競馬第14回開催前半の注目レースは「だるま夕陽特別」(サラ系4歳以上OP、1400m)だ。

 1月28日に行われる重賞競走「黒潮スプリンターズカップ」のトライアルにあたる競走だが、今年度から黒潮SCが黒船賞(GIII)のTRとなったため「トライアルのトライアル」という性格を持つことになる。
 
 説明するまでも無く、黒船賞は高知競馬で唯一のダートグレード競走であり1着賞金も3000万円と破格。JRAや地方他地区からオープン馬が遠征してくるのもこの競走のみであり、過去の遠征馬にはGI馬キョウエイマーチやGII~III勝ち馬のメイショウモトナリ・ストーンステッパー・フジノマッケンオー・テセウスフリーゼ・ビーマイナカヤマとそうそうたるメンバーが並んでいる。まさに高知競馬の看板ともいうべき競走だ。

 にも関わらず、地元高知競馬の代表馬を選考するに当たっては例年混乱が見られ、特に第2回黒船賞の選考委員会では前年末の黒潮スプリンターズカップ・黒潮マイルチャンピオンシップを連勝したメイショウタイカンが補欠になるという選考を行ったが、果たして繰り上がり出走となったメイショウタイカンが2着メイショウモトナリのクビ差3着と地方最先着の成績を残した結果からも、その選考方法には大きな疑問があり改善を求められる所であった。

 これに対する主催者側の回答がこの黒潮SCのトライアル化という措置であろう。一歩前進、評価されていい。

 日本水連と千葉すず選手の問題ではないが、もはや密室で何事かを決める時代ではない。ファンに分かりやすい選考経過を示すことは何よりも公正競馬の理にかなっている。昨今JRAでも重賞競走の出走条件について多少の混乱が見られたが、完璧はハナから無理ながら少しでも良い方法を模索する努力は続けられるべきである、今後の関係者の英知に期待をしよう。
 
 「ロードトゥダートグレード」。いよいよ黒船賞へ向けてのファーストステップ「だるま夕陽特別」がやって来る。7ハロンの熱戦をお見逃し無く。

高知競馬場内実況  橋口浩二

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